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今年の市場相場を読む

コロナ年の異変は特殊事情か趨勢か カボチャ/カンショ/ナガイモ/男爵

コロナ状態に陥ってから、図らずも2年目に入った。人々の生活は変わり、産業構造の維持も危うい段階まで来てしまっている。人はどこかで毎日必要なカロリーを摂取しなければならない。だから食品の生産・流通・販売の業界は停滞せずにたゆみなく、淡々とその仕事に従事することが求められる。ただし、食の提供形態は変わらざるを得ず、業態によってはコロナ状態に翻弄され続けているため、流通統計や市場の相場推移などにはかなり特徴的な現象が現れる。
とりわけコロナスタート年の2020年の統計は注意深く検証の必要がある。特殊な年だった…だけで思考停止になってはならない。

カボチャ/入荷量10年対比で26%減の背景に国内産地の大型化や流通構造の変化

【概況】
東京市場に入荷するカボチャを、2020年のコロナ年とリーマンショックの2年後の2010年で対比すると、入荷量は26%も減っても単価は15%高程度。月単位でみると、20年は10年のどの月より入荷が減っている。特に減少率が高いのは7月(69%)と8月(67%)。主産地は北海道で20年のシェア37%、10年の33%より高い。面白いことに、輸入品はニュージーランドとメキシコ合計で変わらず42%のシェアをキープしている。

【背景】
カボチャという品目は、国産と輸入品が連携して需要に対応しているが、近年では、全体の入荷の増減はあっても、輸入品の割合は固定してきている。ただし、20年の特徴として外国からの入荷が6カ国でそれまでの半数に減った。通常であれば、15カ国くらいあってもおかしくないが、この異変は加工・業務用からの引きが強くなかったため。7月と8月が特に減ったのは、曇天続きから猛暑による生育不足と出荷が遅れたから。ともに20年特有の事情である。

【今後の対応】
カボチャは20年前には輸入が15万t程度あったが、現在では10万tくらいにまで減った。東京市場の入荷量は10数年前には4万tを超えていたが、以降、デコボコあっても現在は3万t程度まで自然に漸減している。加工・業務需要に対応して北海道など機械化が進んだ大型産地が規模拡大し、直販の割合も高くなった。消費者のカボチャ離れはあり得ないが、中食需要などへはカット業者が仲介する割合が高い品目でもある。流通が変わりつつある。

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