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今年の市場相場を読む

コロナ年の異変は特殊事情か趨勢か カボチャ/カンショ/ナガイモ/男爵


【今後の対応】
ナガイモについては、コロナ事情に影響されつつも、輸出とのバランスをとりながら、従来の生産・販売体制を維持していくだろう。産地も意気が高く、輸出用に向く品種改良もしている。輸出も20年の秋からは回復基調に向かっている。ナガイモは、代表的な優良輸出品目と評価されているが、足元の国内需要安定化には目が向いていない。単価も下げてメニュー提案するなどで、世界に誇るニッポンの食文化を、日本人自身がリードしていくべきだ。


男爵/春は過剰入荷で暴落も秋から回復へ 不安定化が趨勢になったとの認識を

【概況】
東京市場の男爵の入荷状態を10年間で対比すると、入荷量は110%、単価は83%。20年は年明けから入荷増で推移し、2月には数量149%、単価45%。キロ61円と暴落した。この早出しの後遺症として5月は数量51%、単価123%。7月にはキロ300円を超え、秋以降、数量・単価ともにようやく収まった。20年は前年19年と対比すると数量は20%増、単価も2割高。19年は18年の不作から一転して増え平均単価107円だった。

【背景】
20年という年に入荷が増えたということで、コロナとの関係をみてきたが、10年間を対比した、数量1割増の13%安という数字自体は「ブレの範囲内」であり、特別な年ではない。東京市場にとって男爵はもっとも基幹的な品種で、業務用にも家庭用にも支持され、需要は動かない。北海道産を中心に8月始まり、年明けはなんとか5月までつないで、待ちわびた静岡産の新ジャガにタッチされ、8月の道産になだれ込む。これで周年つなげて回っているのだ。

【今後の対応】
コロナの影響といえば、業務用の不調を家庭需要がカバーしたという事情はあるが、市場相場がらみでは直接的な影響はない。影響があるとすると、むしろ、近年の異常気象の頻発こそが心配される。その意味では、入荷の急増、急減といった不安定化は趨勢としてみておかなくてはならない。一方で、東京市場の極端な「男爵志向」は、食文化という範疇を超えて、多品目の排除や異常な固執など危うさを含む。「籠を分けておく」といったリスク回避が必要かもしれない。

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