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土門「辛」聞

精米工「大甘JAS規格案」会員企業も採用せずか

精米JAS規格化―すでに原案は日本精米工業会(精米工)理事会で合意、了承され、後はJAS法4条にもとづく国への「申出」という手続きを待つだけになった。原案を入手したが、前月号で触れた通り、サイエンスの裏付けがあるとは思えない内容だった。それでいて精米工は、なぜか国による認証があるものと確信、早くも認証ビジネスをフライング気味に立ち上げた。
精米工は数年前、会員対象のHACCPビジネスで潰れかけの組織を見事に再建した成功体験がある。この精米JAS認証ビジネスは、どこか柳の下の泥鰌(どじょう)になるような感じがしてならない。

そっぽ向かれた認証ビジネス

精米工理事会が、精米JAS規格原案に対し、合意、了承を与えるのは、21年3月17日だった。同時に認証ビジネス展開のため、「精米JAS認証機関」の立ち上げも理事会で承認され、「一般社団法人日本精米検査認証協会」(以下「認証協会」)として同6月の定時総会終了後に正式発足することを決めた。
精米工がHACCPに次ぐ収益源と期待する認証ビジネス。その場で配布された資料「精米JAS規格化(報告)」(以下「規格化報告」)を入手したところ、どうやら捕らぬ狸の皮算用に終わりそうな印象を受けてしまった。
認証協会設立当初の発起人のような社員(会員)の中に、売上高2位の米卸大手、全農パールライス(東京)以外、名前がなかったことだ。業界トップの神明(神戸)は、早くに精米工を脱退しているので、名前がないのは当たり前として、神明、全農パールライスに次ぐ業界3位の木徳神糧(東京)の名前もないことは、とても奇異な感じがした。同社は精米工会長会社であり、米穀卸を束ねる全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)の会長会社でもある。
規格化報告によると、設立発起人の社員は、全農パールライス以外、精米工と株式会社ナンブ(さいたま市)を含めた3社。設立後には、社員として9社の加入が決まっている。北から、ホクレン(札幌)、ショクレン北海道(北海道)、ライケット(青森)、山田屋本店(東京)、福井県米穀(福井)、愛知経済連(名古屋)、鳥取県食(鳥取)、東福岡米穀(福岡)、沖縄県食糧(沖縄)。
ちなみに精米工の会員は、269社(精米本機50馬力以上は233社同25馬力以上50馬力未満は36社)。認証ビジネスの情報が十分に伝わっていないのか、これだけの会員数がありながら、設立発起人に名前を連ねる会員が少なく、会長会社でさえあっち向いてホイでは、柳の下の泥鰌になってしまう予感がする。

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