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今年の市場相場を読む

和食における脇役野菜が果たす役割 レンコン/チンゲンサイ/ミズナ/ユリネ

料理において、姿、食味ともしっかりとした存在感のある脇役野菜。主役を引き立てているだけではないから、ないと料理が完成しないし物足りない。だから他の野菜には代替しない。そんな野菜類は、和食のような伝統料理、定番料理に不可欠である。コロナ禍で巣ごもりしている日本人は、モノ消費からコト消費に関心が移り、どうせ家庭で作るなら、本格的にやってみようと、「ハレの演出」を楽しむようになっている。バブル崩壊による不景気が一段落したのは2005年ごろで、以降漸減傾向ではあるが横ばい推移。そしてコロナ年の昨年に至る15年間を対比してみる。

レンコン/20年は後半入荷増も年間通じて高値推移 佐賀県が全国ブランド狙い産地化

【概況】
東京市場に入荷するレンコンは、05年と20年を対比すると、入荷量は13%減って、単価は40%高くなった。20年については、年明けから入荷減の単価高が始まり、春以降、夏まで大幅減で価格は高騰したが、9月からの新物シーズンには入荷はかなり増えた。そのため一年を通じると数量減は1割強にとどまったが、単価は年間を通じて強含みで推移し4割も高くなった。東京市場では、茨城県が05年で96%、20年でも94%の絶対産地だ。

【背景】
05年の場合、2位はシェア2%の千葉県だが、茨城とともにほぼ周年供給しているのが、加賀野菜の石川県産。数量は少なくても単価は平均値の3倍近い。全体の入荷が少ない6~8月を中心に入荷するのが徳島産と熊本産。砂栽培されて肌が白い徳島県産の単価は、平均単価の2倍になっている。この15年間に急激な成長を遂げたのが佐賀県だ。タマネギで有名な白石町を中心に産地ができた。佐賀産は周年供給しており、単価も茨城産より25%高い。

【今後の対応】
レンコンは伝統的な食材だけに、全国各地で生産されていて地場需要に対応している。佐賀県でも伝統的に生産はあったものの、タマネギ農家を中心に転換し産地化された。福島県の原発事故で茨城産がダメになるから?というまことしやかな話もあるが、レンコンは和食に不可欠だという認識は変わらない。白石町は全国区の新産地を目指している。長年の干拓によって「重粘土質」というレンコン栽培に向く土壌が、もっちりとした食感を生むから。

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