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今年の市場相場を読む

和食における脇役野菜が果たす役割 レンコン/チンゲンサイ/ミズナ/ユリネ


【今後の対応】
20年については、やはりコロナ禍で業務用需要が落ちた分、入荷は減ったが、15年間の対比で12%安という数字は、年ごとのブレの範囲内であり、安定供給が続いている証拠でもある。この期間で4割もの減は20年の特殊事情という要因が大きく、情勢が落ち着けば入荷は1~2割ぐらいならすぐ戻る。ミズナは伝統的な料理における脇役ではないが、新しい食習慣として定着した新たな脇役食材で、現在では欠くことができない存在に育っている。


ユリネ/関東圏一部の業務用需要で 入荷が前年より増加したわけは

【概況】
東京市場の20年のユリネを05年と比べると、数量33%減で単価は21%高。ただし数量は05年ですでに最盛期より2割減って196t、主産地の北海道は97・7%を占め、2位は5・2tの京都だった。これが20年に至ると入荷量は131tで北海道が99・98%。ただし20年は19年より25%増えている。18~19年で入荷は底を打った後、20年は17年並みまでに回復した。ちなみに19年は105tで、05年比46%減で単価1145円は5割高。

【背景】
東京市場の入荷量が最も多かったのは1992年のバブルの極みの年で、250t程度あった。これが瞬間最大風速となり、以降は減少の一途。とくに東京市場では、つま物としてのユリネは関西系の料理店が利用の中心である。00年当時でいうと、大阪市の本場と東部市場の入荷合計は450t。300万人に満たない人口で換算すると東京の40倍もの消費量だ。料理の飾り物として、蒸し物、茶わん蒸しの具として、関西文化圏では一般家庭でも使われる。

【今後の対応】
東京市場では、20年という特殊な年に3年ぶりに入荷が回復したことになるが、理由のひとつは19年の単価が1145円と高騰したからだろう。さらに、業務用低迷に対して巣ごもり需要を受けてスーパーの売り上げが好調だったため、中クラス以上のスーパーでは“品揃え商品”として売ってみた、という側面もあっただろう。それが一般消費者にどこまで浸透したかは、現状では判断できないが、少なくとも「小売店需要」が新たに生まれたことだけは事実だ。

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