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新・農業経営者ルポ

農業プロデューサーをめざす売上22億の胡蝶蘭農家。

いま、『農業経営者』で取材するとしたら、一番面白い人は誰か?」と複数の人に聞いた。最初に挙がったのが豊橋で胡蝶蘭を作っている尾崎幹憲だった。初対面だったが、共通の友人は多かった。「農業経営者はかっこよくない。むしろぶざまな生き様こそ魅力的であり、それを伝えたい」というのが筆者が書くルポの始まりだったが、尾崎は「カッコイイ」経営者に憧れ、そのままを実践していた。このコロナ禍でも積極的に売り上げを伸ばしている。いやはや世の中は狭いようで広いなぁと感心することしきりだった。まだまだノビシロはいくらでもある。 なお、本稿は取材対象者の個性を生かす観点から一人称で構成している。 文・写真/土下信人、写真提供/(株)リーフ

小学生で社長になりたいと思った。

(株)リーフのリーフはローマ字でLEAFと書く。Life Ever Amusement Flowersの略だ。
「胡蝶蘭であなたを笑顔に。世界中に一つでも多くの笑顔をお届けしたい」という想いを会社の名前に刻みつけた。
僕は小学4年生の時にテレビを見ていて、「社長はかっこいいなぁ」と思った。そのテレビの社長はかっこよく、車を2台持っていた。そしてミーティングをやって、自分の考えを話して、リーダーシップを発揮していた。僕も社長をやりたいと思った。当時、小学校の人気者は、「見た目がいい、スポーツができる、勉強ができる」という3つの特徴があったのだが、残念ながら、僕は3つとも持っていなかった。だからテレビに出ていた社長のように、“仕事ができる”社長になろうとした。
まぁ承認欲求が強い小学生だったのだろう。
始まりは1998年10月。胡蝶蘭の苗を台湾から取り寄せた。起業するにあたり目標を立てた。その目標は10年くらいで達成できると思っていたが、いま、あと3年はかかると思っている。目標とした年から15年遅れにはなるが、やっと、胡蝶蘭のゴールの絵が見えてきた。
その目標とは、胡蝶蘭の日本の販売量で10%のシェアを獲ることだ。2020年に日本で流通している胡蝶蘭は、900万鉢。(株)リーフが売ったのが82万鉢だから、あとちょっと。とにかく、この勢いで目標を達成していきたい。

現在の売り上げは22億円。

会社は3つあり、3社の社長をしている。農業生産法人の「胡蝶蘭ファーム(株)」の農場は4000坪で、2020年の売り上げが3.5億円。(株)リーフは卸・流通業で、温室が750坪、売り上げ15億円で、協力農家3軒を持っている。そして、Eコマースのネットショップ会社「胡蝶蘭コマース(株)」が4億円だ。3つの会社を全部合わせて、やっと22億円を超えたところ。ゴールまではまだまだだ。

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