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特集

中国が日本のコメを変える


JETROに問い合わせたところ、先物市場は分析の対象外だという。中国のコメ先物を扱う研究者も国内では見つからず、結局、中国の情報に自分で当たって書いたのが本稿である。先物取引に疎いため、表現が不適切な部分も多いはずだ。ご指導、ご叱正を賜れれば幸いです。

Part3 最大輸入国に転じた中国のコメ消費事情 ブランド米志向の高まりを追う/土下 信人(エンジェルバード代表取締役)

コメの生産量・輸入量ともに世界一の中国。その中国では、日本と同様にコメ消費量が減少傾向にある。だからといって消費額も減っているわけではない。逆に消費額の増加も予測されている。高級化が進み、量から質への転換が起こっているのだ。そんな中国の最近のコメ消費事情をレポート。 (編集部)

2003年から中国に行き始めて、雲南で10年近く住んだ。最初のときに感じたのは、ご飯が不味すぎることだった。なんとかならないかなどと叫んでいた。それが、2010年をすぎると東北米(ジャポニカ)が雲南省に出回り始めて、美味しいご飯が食べられるようになった。
中国では、「民以食為天」という「ヒトにとって食べるのはとても大切だ」という諺がある。日頃の中国人のあいさつも「吃饭了(チーファンラ)」と言って、「ご飯食べたか」と聞く。
しかし、中国においては、日本のようにご飯の位置付けが高いというわけではない。主食は、ご飯だけでなく、麺、饅頭、包子(パオズ)、鍋貼(グオティエ・餃子のこと)などがある。最近では、美味しいパン屋も増えてきている。
ご飯は、料理やおかずとの組み合わせでより美味しく食べる。ご飯のお椀が料理の受け皿となって食べる。茶碗は持ち上げないで食べる。
中国人が日本に来て驚くのが、ラーメンライスや餃子定食だ。主食にご飯を合わせて食べていて、おかずを食べていないと驚く。
雲南では、年代によってご飯の食べる量も違う。70代半ばのおばあさんは、どんぶり飯をたっぷり食べる、美味しい料理があるとさらにどんぶり飯をお代わりする。その娘は40代で、食べるのは普通の茶碗の少し山盛り1杯。高校生の孫娘になると小さな茶碗に1杯。ダイエット中だという。確かに中国人のご飯を食べる量は減ってきていることを痛感する。
昆明は、標高2000mなので、圧力釜の炊飯器が人気だ。北海道産のゆめぴりかを持って行くと随分と喜ばれた。中国人の味覚に合うのだろう。日本では「甘くて、もちもち」が喜ばれるが、中国では、「甘くて、もち・さらっとした味」が好まれる。長粒種も食べるが、その場合はご飯の香りを大切にする。

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