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山口亮子の中国のアグリテック最新事情

ファーウェイもスマート養豚 バブルいつまで

「ファーウェイ、ブタを飼う」。今年に入って一時、中国のニュースをにぎわせた言葉だ。異業種の養豚業への参入が続いており、アリババ、ネット通販大手の京東、ネット大手の網易(ネットイース)が養豚のスマート化に着手している。アフリカ豚熱の流行で、豚肉価格が上がったこともあり、不動産大手から果ては通信大手のファーウェイまで、養豚に熱視線を送る。

視覚技術で養豚に貢献

「ファーウェイはブタを飼わない。企業に良いブタを飼える力を与えるだけだ。我々は、マシンビジョン(MV)を使って、あらゆる業種に力を与える時代に入らなければならない」
ファーウェイのマシンビジョン分野を率いる段愛国は今春、メディアの取材にこう表明した。マシンビジョンとは、機械の目が人間の目の代わりになり、ロボットによる自動化を可能にする技術だ。中国では「機械視覚」という。段愛国はこの発言に先立つ2月、スマート養豚のためのソリューションを提供すると表明していた。「ブタを飼う」というニュースが独り歩きしたところがあり、自ら養豚業に参入するのではなく、ソリューションの供与だと改めて強調した。
ファーウェイのスマート養豚のソリューションでは、モニターによる管理、ビッグデータの解析、情報化、AIによる識別、機械学習などを提供する。標準化やマニュアル化を通して、あらゆる情報のリモートセンシングによる管理や、ロボットによる巡回チェック、自動かつリモートの制御を可能にするという。
ファーウェイは携帯電話以外の事業拡大に勤しんでいる。米国による安全保障を理由にした締め付け強化の影響で、スマートフォンは海外で苦戦を強いられている。中国での内需は堅調と言いつつも、養豚を含む異業種への進出を続けてきた。

1人で5000頭飼う養豚業者と提携

ファーウェイとの提携を表明し、株を上げた企業に湖南新五豊(フーナン・ニュー・ウェルフル)がある。湖南省を拠点にする養豚業者で、大規模養豚の先駆的な存在だ。「中国経済週刊」のインタビューで、社長の何軍は「2020年に一部の養豚場で1.0版のスマート養豚を試験的に導入し、1年に1人当たり5000頭の飼育を実現した」と語っている(2021年6月25日、「この企業がファーウェイと連携してスマート養豚をし、年間1人で5000頭のブタを飼う」)。
同社は今年4月、ファーウェイと連携協定を結び、本当に株価を上げた。
「ファーウェイとの連携は、フーナン・ニュー・ウェルフルの未来のスマート養豚発展計画に符合する。未来の数百の養豚場と、湖南省全体に分布する屠畜場や飼料工場で、どのようにスマート化した管理を実現するか? もし情報化によるモデルチェンジを進めなければ、管理コストも人件費も大幅に増える」

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