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スマート・テロワールの実践者たち

「スマート・テロワール形成講座」成果報告会


そんな中で、需要側まで含めた地域全体での物質循環と経済循環を、大学が主導して起こすという山形大学農学部の実践のような例は、寡聞にしてこれまで聞いたことがなかった。地域振興分野に多年身を置く筆者としては、「よくぞここまで」という感想を持った。
成果報告では語られなかったが、地域の様々な利害関係者をつないでプロジェクトを進めるという作業は、中核となった若手研究者にとって、真に骨の折れるものだったに違いない。従って今後のこの事業のカギを握るのは、研究の実際、農業の現場、加工の現実、販売の事情、消費者の感性をそれぞれに理解しつつ、全体のコーディネートをできる人材を、できれば地域内から確保し、育てていけるかどうかだ。その人件費(人材ではなく)について、地域金融機関の協力などはありえないのだろうか。
米国では、大学の農学部が、農産地の技術的なイノベーションの核として機能している。しかし、大企業や卒業生からの多額の寄付を使える米国の大学と、日本の国立大学法人では、あまりに規模やしつらえが異なる。
だが日本には、特に庄内には、米国にはない非常に高品質の食材の、供給者と需要者があり、その間をつなぐ加工事業者と商業者があり、食文化を地域の最大の資源として盛り上げていこうと考える行政や住民がいる。そのような中から出てきた草の根の地産地消の取り組みが、いつか世の中を大きく変えていくことになるのではないか。

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