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土門「辛」聞

我田引水的「精米工JAS原案」 マーケット無視で猛反発必至

米穀専門誌の記者でさえ「複雑怪奇な見直し議論」(米麦日報)と言わしめた農産物検査“大改革”。混乱の原因は、何のために改革するのか、その“錦の御旗”がマーケットに伝わってこないことにある。
“大改革”の一翼を担う、精米JAS(日本農林規格)化の取り組みも、その例外に漏れず。何のために規格化に取り組むのか。穀物課からいまだにきちんとした説明がない。聞こえてくるのは、「コンソーシアム」(共同事業体)とか「オコメ・チェーン」の浮わついた話ばかり。穀物課が精米JAS化の全体像を示していないことが、混乱にいっそう輪をかけることになっている。

精米工と穀物課の出来レース

かく申す筆者も、このテーマを4回も扱いながら、最初は日本精米工業会(精米工)版とコンソーシアム版の区分けがまるでつかなかった。おかげで穀物課米麦流通加工対策室の上原健一室長に数度にわたる質問を繰り返し、すっかり面倒をかけてしまった。その回答をもらっても、正直、ちんぷんかんぷんだった。精米工版とコンソーシアム版を並列して説明したペーパーが用意されなかったことが、最後まで混乱する原因だった思う。
連載4回目になって、精米JAS申出者は、精米工が国内版、コンソーシアムが輸出版と棲み分けにしていることが分かった。なぜ、そうなったか。もちろん穀物課からは、その説明はない。質問したところで、「精米工のことは精米工で聞いてくれ」と木で鼻を括ったような回答が戻ってくると思って、あえて質問はしなかった。
穀物課による申出者・棲み分け作戦の思惑は何となく想像できる。JAS化のニーズがあるのは、輸出版であって、国内版へのニーズはないと踏んだようだ。つまり、輸出版が本命なので、こちらは利害関係者を集めたコンソーシアム、つまり輸出用精米の規格申出を目的にしたJAS化期成同盟のような組織を立ち上げてJAS化を目指す。
そうなると精米工が申し出た国内版規格は、輸出版を盛り立てるための当て馬のような存在なのか。精米工のことだ。そこは損を絶対にしないようにしっかり算盤を弾いている。認証ビジネスのことである。単刀直入に言うと、精米JAS認証ビジネスの独占だ。

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