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今年の市場相場を読む

本格シーズンに突入 果菜類の動き、この10年 シシトウ/オクラ/パプリカ/レイシ

果菜類とは、果物のように実を食べる野菜のこと。葉茎菜類とも根菜類や土物類とも違う。日照や高温を好むために、果菜類は夏が旬。梅雨が明けると本来のシーズンに突入する。天気が良く降雨も適当にあれば、すくすく生長し、マメ類同様に1日2回収穫しないと徒長気味になるのも、夏が好きな野菜の片鱗だ。今年は、6月の農水省公表では、夏に向けて葉茎菜類の豊作を予測していたが、果菜類については天候推移のいかんでどのようにも変化するので、予測には慎重だ。東京市場の2010年と20年の入荷状況を対比しつつ、検証ならびに予測をしてみよう。

シシトウ/業務用が中心需要の壁は破れないままだが昨年から小売店頭で値ごろで販売

【概況】
東京市場に入荷するシシトウは、5月から増え始めて7月にピーク、10月くらいまで多い。10年と20年を対比してみると、年間入荷量は3割減ながら、単価は18%程度高値になった。業務用が中心のため、夏前に入荷が少ないと高騰する傾向にある。主産地は高知で10年が49%、20年には55%にシェアを高めたが、2位の千葉は40%から36%に減らした。この2県で全体の9割以上を占める。輸入品は国内が旬の時期には入荷しない。
【背景】
年間を通じてコンスタントに入荷するのが高知産だとすると、千葉産は周年で入荷があるものの、夏場の旬にはとくに多い。また数字的に見ると、千葉産が漸減傾向を誘導しているようにも見える。これは遠隔地ゆえに計画生産する高知県に対して、千葉は近郊産地ゆえに東京市場の動向に敏感に対応を変えているからだ。ピーマンと同じ産地でも生産されているかとも思うが、シシトウに関してはこの2県に任せる、というのがピーマン産地のスタンスのようだ。
【今後の対応】
シシトウはもともと業務用のつま物的な野菜で、天ぷらや煮物に青みを添える。一般野菜として普及を試みた時期もあったが、家庭用では定着していない。昨年から今年にかけての業務需要低下と巣ごもり需要とが相まって、小売店頭では大きめのパックにして手ごろな価格で陳列され、値段ゆえに売れる場面もある。今年6月中旬時点では、千葉産が旬に向かう時期だが、高知産の切り上がり早く入荷減の単価高になっている。梅雨が明ければ潤沢に出てくる年だ。

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