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特集

AGRI FACT(前編)



【質疑応答でトンデモ回答が連発】

パネリストの講演が終わり、質疑応答に入るとトンデモはいよいよクライマックスを迎えました。「虫よけは使ってもいいんですか?」という質問には「天然系ならいいと思いますよ! なぜなら安全だから」という大雑把すぎる回答が。「おいおい! 天然かどうかって、安全性と全く関係ないでしょ! 自然界にも毒性の強いものは山ほど存在しているし、そもそも天然かそうじゃないかの境界線はどこに引けばいいんだよ!」と画面に向かって思わずツッコミを入れてしまいました。次に、「ダニの害はどうなんですか?」という質問には「ダニ自体に害はないんですよね(だから薬剤を使う必要なし)」という雑すぎる回答。もちろん、農業の世界でも普通の生活でも、ダニは無害じゃないです。だから対策を講じるのです。農薬や薬剤の危険性を過剰に強調する人は、現実的な危険を過小評価する傾向にあるのですが、DPJも例外ではありませんでした。

【「誤解を招くといけないので、SNSなどに公表しないで」】

最後は、市販されている食品の商品名を出して根拠なく危険性と結びつけて不安を煽り、食品メーカーさんが大迷惑するようなお話で終了。「誤解を招くといけないので、この内容はSNSなどに公表しないでくださいね~」と繰り返しアナウンスされましたが、そんなに問題のある食品なら堂々と公表した方がいいのでは? 講演で散々「メディアが報じない隠された真実!」「声を挙げていきましょう!」と言っていたのに。何かまずいことでもあるんですかね? まあ、私は書きますけどね。

【本家本元のアメリカの団体代表者が怪しい商売に手を染めていた】

「さすがにこれは怪しすぎるぞ」と興味をひかれた私はDPJについて調べてみました。すると、DPJはアメリカに本家本元があり、Moms Across Americaという団体の“デトックス・プロジェクト”という活動(まんま同じ名前)が元になっていることがわかりました。代表はゼン・ハニーカット氏という女性。講演の中で何度も登場した名前なので覚えているのですが、なぜか彼女の職業は明かされませんでした。あれほど引用される人物なのにどうしてでしょう? 不思議に思って調べてみると、出てくる出てくる! 高額な浄水器に始まり、電磁波対策グッズ、認可されていない成分が入ったサプリメントなど、ありとあらゆる怪しい健康グッズを販売する業者だったのです。もちろん、「グリホサートが心配な方はこれでバッチリ安心!」みたいなサプリだってあります。まるで霊感商法ですね。さらには「病院には行かずに○○で治そう!」みたいな反医療活動にも関与している様子(英語で検索するとサイトが出てきます)。もはや笑い飛ばせるトンデモを越えています。完全にカルトです。こんなやばい商売を日本で広めたらまずいですよ。

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