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・有機農産物:有機合成農薬と化学肥料を一切使わずに栽培され、多年生の作物は3年、それ以外の作物は播種前2年という転換期間を経た農産物をいう
・有機畜産物:有機農産物の栽培・生産基準にあわせて生産された有機飼料を給餌し、認証基準に従って生産された畜産物
・無農薬農産物:有機化学合成農薬を一切使わず、化学肥料の施肥量を推奨されている量の1/3以内に抑えた農産物
・抗生剤無畜産物:抗生剤、合成抗菌剤、ホルモン剤が添加されていない飼料を給餌し、認証基準を守りながら生産された畜産物
これらの農産物には種類別にマークがあり、商品に表示することができる。ただし、表示するためには、認証機関の審査に合格していなければならない。認証制度をつかさどるのは、国立農産物品質管理院という政府機関で、実際の審査業務は、同院から指定を受けた民間の認証機関がおこなっている。2021年6月現在、認証機関は53か所ある※3。
親環境農業に取り組む農家には、直接支払いがおこなわれる。直接支払いは認証取得とセットになっており、直接支払いの予算はすべて国庫で賄われている。単価は表1の通りで、栽培方法や作物によって異なる。有機栽培の米は1haあたり70万ウォン(1ウォン=約0.097円、約68500円)で、同じく果物は140万ウォン(約137000円)、野菜などは130万ウォン(約127000円)。交付対象となる面積の上限は5haで、組織などを作って共同で申請する場合も、面積上限は5haとなっている。
【2010年をピークに出荷量が減少】
認証を取得した親環境農産物(有機農産物及び無農薬農産物)の面積及び出荷量の推移は、表2、3の通りだ。ともに、2000年代は順調に伸びたものの、2010年をピークに減少傾向にある。それでも、2018年の有機農産物の作付面積は約2.5万haで、日本のJAS有機の認証面積である約1.1万ha(2018年)の2倍以上だ。なお、韓国は日本とは異なり、無農薬農産物の認証もおこなっている。2018年の無農薬農産物の作付面積は5.4万haで、こちらも2010年をピークに大幅に減少している。政府主導で親環境農業を積極的に推進してきたが、表を見る限り、大きな曲がり角に立っている。
減少理由について、筆者は以前、韓国の農業関係者から「(政府主導で生産振興を図ったが)思った通りにはマーケットが広がらず、結果的に供給過多となった」という話をたびたび聞いたことがある。なお、「2019年国内外の親環境農産物生産及び消費実態と今後の課題」(2019年)※4によると、減少理由を次の3点に整理している。
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