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特集

AGRI FACT(前編)


それでも米国やカナダの小麦生産者は、効率化と収穫量増加のためだけに、技術や知識が必要なプレハーベストを行なっているといえるでしょうか。
全米小麦協会は、「米国においてグリホサート(ラウンドアップ主成分)によるプレハーベストは、小麦栽培面積の3%未満のみ適用されているめずらしい栽培技術」だとしています。つまり日本に輸入される海外産小麦のほとんどはプレハーベストされていないのです。
しかし実際に、海外産の小麦粉製品(パン、天ぷら粉、スパゲッティ)からグリホサートが検出されたとの記述がありました。とはいえ検出率のみで検出量の記載はありません。実際に検出された量をみても、ADI(一日摂取量)のわずか0.0029%~0.163%とごく微量で、ヒトの健康に何の害も及ぼさない量です。読者を不安にさせるだけで、まったく意味のない記述です。
※ファクトチェック「『週刊新潮』(2020年4月16日号)掲載 グリホサート/ラウンドアップに関する記述を徹底検証1(https://agrifact.jp/faq-glyphosate-roundup-weekly-shincho20200416/)」から抜粋・一部再編集

Q  「ラウンドアップの(残留)基準値をさらに大きく(小麦は6倍、ソバは150倍など)している」とありますが、規制緩和して大丈夫でしょうか。

A  食品衛生法に基づき、設定されたラウンドアップの残留基準値の変更内容をみてみしょう。
厚生労働省の施行通知[平成29年12月25日生食発1225第5号]を見ると、変更には緩和もあれば、厳格化もあります。
具体的には緩和されたのはソバ、小麦、なたねなど33品目。逆に、厳格化されたものはえんどう、いんげん、きのこ、肉類など35品目で、その他の102品目は変更されていません。
またそもそも残留基準値は、毎日の食生活でこれらの食品を食べても一日摂取許容量を超えないように、食品ごとの値を決めたもので、安全な食生活を守るための一日摂取許容量の内訳に当たります。
いい方を変えると、一日摂取許容量はコップであり、作物ごとの残留基準はコップに水を入れる小さなスプーンのようなものです。すべての作物のスプーンでコップに水を入れても、絶対にあふれ出ないように、スプーンの大きさを決めています。一部の作物のスプーンの大きさを変更しても、コップの容量を超えない限り、健康に影響はないのです。

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