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江刺の稲

64年東京オリンピックの思い出

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第302回 2021年08月23日

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今回の東京オリンピックも64年の夏を思い出させるような猛暑の中で開催されている。しかも、コロナ禍それも緊急事態宣言が出される中で無観客開催されている。今の高校1年生は半世紀経った後に、今年のオリンピックをどのように思い出すのであろう。
オリンピックの開催そのものが日本にとって記念碑的なことだった64年。オリンピックに間に合わせるように新幹線ができ、首都高速道路も開通した。三波春夫が歌う東京オリンピック音頭はその後の町場の盆踊りでは定番として流されていた。
今と比べて、選手の競技レベルの高さは言うに及ばず、日本という国の経済的豊かさも比較にならない。オリンピックの勢いを引き継いだ大阪万博。経済成長は続いていくが、その時代、日本の公害被害も最高度に達していた。それも我が国は克服してきた。64年のオリンピックをこれほどまで懐かしく思い出すのはなぜだろう。

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