ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

スマート・テロワールの実践者たち

農業×若者×ITが爆発的進化を遂げる月山高原 山形県鶴岡市/岡部 勝彦 氏((有)佐藤測量設計事務所)高田 庄平 氏(ベジパレット)


事務局に加わった佐藤測量設計事務所の取締役業務部長・岡部勝彦氏は、上空からドローンで撮影した地区の写真画像をGISで加工し、どの畑を耕作しているのは何歳の農業者なのか、10年後はどうなっている可能性があるかを、一目で理解できるように「見える化」した。
それを用いてワークショップを行なうことにより、農業者の間に個人個人の利害を越えた危機感が共有され、20年初頭には、農地中間管理機構を活用した農地流動化が合意されたのである。戦略会議開始から合意形成まで9カ月という迅速な動きだった。それを受けて実際に農地を集約する作業は、20年9月より着手され、現在までに13haで実現している。
戦略会議では同時に、月山や羽黒山などの周辺観光地とも連携し、観光農業に取り組むことにも合意した。それを受けて、農業者に観光業者や地元女性有志などを加えた「月山高原活性化検討チーム」が設置され、早くも20年夏にはひまわり畑やトウモロコシ巨大迷路の開設、サマーフェスティバルやオータムフェスティバルと、様々な取り組みが実施された。
イベント企画力と市民に対する発信力や動員力を有するアイディア社が事務局に加わっていたことは、推進の大きな要因となったと思われる。コロナ禍の被害が相対的に少ない山形県、その中でも特に感染者の少ない庄内地方ではあるが、コロナ禍の去った後にはこうした種が、さらに大きく咲いていくことになろう。

GISを活用した循環型農業の推進

戦略会議での合意事項は、上記の農地流動化と観光農業の他にもう一つあった。畑作地の宿命である連作障害への対処のため、地域内畜産農家と連携して循環型農業を推進することである。スマート・テロワールの中心的な理念である「耕畜連携」に、地区を挙げて取り組むことが決定されたのだ。
スマート・テロワールの提唱者の(故)松尾雅彦氏は、「この美しい月山高原をスマート・テロワールの日本のモデルにしたいね」と語っておられたと聞くが、その中心的な一画である11-3団地において、農業者がその理念を共有するに至ったことは感慨深い。
これを受け20年10月には、「月山高原農地委員会」が設立された。理念は「循環型農業の輪作体系による美しい農村景観(農地)を構築し、次世代への継承を図りながら、月山高原エリアの振興と発展に寄与すること」である。
この農地委員会にも、佐藤測量設計事務所の岡部業務部長が社の仕事の枠を越えて関わっている。輪作の実施状況をドローンから把握して、GISを用いて見える化することから始め、さらにはNDVI解析を用いた作物の生育状況の見える化にも取り組んでいる

関連記事

powered by weblio