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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

パラグアイ 違法な大麻栽培の10倍以上の収入に!ヘンプを家族農業モデルで支援

パラグアイ共和国は、南米大陸の中央部に位置し、アルゼンチン、ブラジル、ボリビアと国境を接した内陸国である。人口は約700万人を有し、先住民のグアラニー族とスペイン人との混血が90%以上を占めるため、スペイン語とグアラニー語が公用語になっている。
日本の1.1倍程度の国土の大半は丘陵および平原地帯で、大豆、綿花、マテ茶、牧畜(食肉)などを生産する農業国だ。世界第4位の輸出量を誇る大豆の普及に、入植した日本人が貢献したことから南米随一の親日国でもある。

違法大麻の大生産国

1811年にスペインから独立。一時は栄えたが、1864年に開戦した三国同盟戦争に敗北したことで国家の基盤は完全に崩壊した。その後、社会情勢は停滞したまま20世紀を迎え、戦争と内戦を経て1954年に樹立したアルフレド・ストロエスネルによる独裁政権は約35年続いた。89年のクーデターにより文民政権に移行したが、貧困層を多く抱え、ブラジルやアルゼンチンへの依存度の高い経済状況にある。
大麻草は、60年代後半に違法な換金作物として同国の歴史に登場した。マフィアが取り仕切る麻薬密売組織が動き出したのは、ブラジルと国境を接するアマンバイ県とアルト・パラナ県だった。70年代には大豆が集約的に生産されるようになり、一部の大規模土地所有者に莫大な利益をもたらす一方で、小農民は困窮した。
歪んだ生産構造、貧困などを抱え、展望の明るくない小農民に違法な大麻栽培を勧めたのは、もともと彼らから農産物を集荷し販売していた仲買人たちだった。農村部では人口の60%が29歳以下の若者で、ほかに経済的に自立する道が全くないことから、ごく自然に大麻ビジネスに参加するようになった。地主、輸送業者、民間警備会社、栽培地を守る仲買人によって、ときには暗殺者も雇われて構築された大麻生産チェーンは、地元権力の中枢(市長、国会議員、公務員、警察官、軍人)に資金供給できるまでに発展し、南米最大の違法大麻の生産国として国際社会に知られるようになる。

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