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土門「辛」聞

税制史上稀な不公平税制 “農協特例”の欠陥部分を暴く!


▽農業協同組合法第4条→農業協同組合及び農業協同組合連合会
▽中小企業等協同組合法第3条→中小企業等協同組合=事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合
株式会社や有限会社など組織形態の法人が、(2)や(3)の要件をクリアしても、消費税・仕入れ税額控除の特例の対象とならないのは、この規定があるからだ。

パンフレットが示す“混乱”ぶり

19年8月、この問題に危機感を抱く仲間の有志20人が、当時の末松広行事務次官を訪ねた。農協等・卸売市場特例が、いかに現場の実態にそぐわず、これが実施されたら、全国の商人系集荷業者が軒並み廃業に追い込まれてしまう実態を訴えるためだった。
それから2カ月後、末松前次官に、特例見直しについて「どうなりますか」と探りを入れてみた。確か、そのときの返事は、「要件など内容について見直しをするとしたら、与野党と調整して最後は政府税制調査会に諮るテーマになるでしょう」と一般論の回答が戻ってきたことを記憶している。
その回答ぶりから、ひょっとして要件見直しを部下に指示してくれるのかなという淡い期待もあった。そう思って農水省ホームページをチェックしたところ、ある
“異変”に気が付いた。「軽減税率制度」を説明する経営局総務課調整室が配布する18年版と19年版、2種類のパンフレットのことだ。
実物をご覧いただくには、農水省ホームページのキーワード検索で「軽減税率制度」と入力すると、「消費税の軽減税率制度について」というページが出てくる。かなり下の方へスクロールしていくと、「農水省では農業者の皆様へ軽減税率制度を周知するためにパンフレットを配布しています」というメッセージが出てくる。そのすぐ下に、2種類の農業者向けパンフレットがリンクしてある。それが18年版と19年版だ。
2つを並べて見比べると、おやっと思われるに違いない。18年版に記載されていた特例3要件についての説明部分が、19年版ですっぽりと抜け落ちていることだ。その説明部分こそ農協等・卸売市場特例の肝の部分であり、関係者がもっとも知りたい部分である。
パンフレットの“ミステリー”はまだ続く。たまたま、この5月に最新版の送付を依頼したところ、経営局総務課調整室から届いたのは、なぜか18年版だった。1年ごとにパンフレットを更新していると思っていたが、そうでもなかった。(1)の要件の説明がスッポリと抜け落ちた19年版で打ち止めになっているのだ。

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