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今年の市場相場を読む

コロナ禍でも揺るがなかった根菜類 ダイコン/カブ/ゴボウ/レンコン

コロナ禍で野菜の消費構造が変わった。20年は業務需要が低迷した分、小売店需要が高まり、家庭での調理が増えたことも相まって、輸入野菜が減り国内産の流通量が増えた。一方で気象現象にも異変が発生。果菜類中心に夏秋野菜が大きくダメージを受け価格は高騰したなかで、コロナ前19年と比べてあまり変化がなかったのが、ニンジン以外の根菜類である。21年の動きにも触れながら検証した。

ダイコン 夏場にやや減も秋冬には家庭の“鍋ブーム”が受け皿に

【概況】東京市場に20年に入荷したダイコンは11万4000t。19年が11万8000だから3%減った計算だが、“前年並み”の範囲内だ。6~9月の夏場に最大15%程度減っているが、需要期である秋~冬はむしろ増えている。7月には単価が前年の1.5倍(114円/kg)となったものの、年間平均すると1割弱程度高いだけだ。その要因は、関東産に続く夏場の主産地である青森、北海道などの天候異変がそれほど深刻ではなかったこと。
【背景】コロナ禍は、とうとう2年目に持ち越されて21年に入った。1~3月には20年より入荷減であったが、実際は数量も単価も平年並みだ。以降7月までは入荷は漸減ぎみで、単価はやや強含み。つまりコロナ禍や家庭需要・業務需要との相関性はみられず、夏場についてもこれまでの天候推移を見る限りでは、昨年よりは出荷多く安値推移となるだろう。また昨年夏場の単価高を受けて、今年は夏秋産地のダイコン生産が増強されていることもその背景にはある。
【今後の対応】ダイコンが、コロナ禍による需要構造変化にあまり振り回されないのは、増えている家庭需要が冬場を中心としたダイコンの旬に強い反面、夏にはダイコンおろし需要程度で暴騰要因がないからだ。家庭需要は、高かったら買わないし、安ければ多少売れる。しかし、20年の夏は天候異変による入荷減に、相場が過敏に反応した。これが業務用需要が中心の時期、品目の大きな特徴なのだが、20年は家庭での鍋物ブームが“特需”になり受け皿になった。

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