記事閲覧
カブ コロナ年でも前年並み、簡単な料理提案が家庭でも定番化
【概況】東京市場のカブを19年と20年で対比すると、数量も単価もほぼ変化ない。産地構成は千葉75%と埼玉10%で全体の85%前後を周年供給。季節産地の青森産が10%。ただし夏には最大50%を担う場面もあるほどの主力産地だ。カブの場合、コロナ年でも前年と変わらなかったことが不思議だが、関東産にいちばん被害があった夏場でも、圧倒的主産地である千葉産のシェアは変わらない。老舗産地ともいえる技術力だ。
【背景】カブは、主産地の千葉が周年出荷しているものの、生産が落ちる夏場には青森が補完する。ほぼコンスタントに周年入荷するのは、業務用需要が必要としているから。一方、東日本では一般家庭でも、生育が進み柔らかい春カブ、寒くなりだしてから身が締まる秋カブの時期は、千葉産が旬であることを知っており、高齢層からは絶対の信頼がある。かつて家庭では糠漬け定番野菜であったが、いまや周年流通しているのだから、もっと家庭で使ってほしい。
【今後の対応】カブは安ければ売れるという品目ではない。日本人なら糠漬けは好きだろうが、「糠床」の管理は難しく、野菜の漬物類は加工食品が手軽に手に入る。コロナ年には、自宅勤務が多くなって、こだわり料理を手作りするなどの趣味が広がったとはいえ、カブはハードルが高そうだ。しかし実際には、カブは柔らかく火が通りやすいため、手軽に“野菜たっぷりみそ汁”もできるし、塩昆布を使ったり軽く塩を振るだけで、「カブの浅漬け」ができる。
ゴボウ 全国揃って10%減の不思議 出荷調整と輸入が同時進行
【概況】20年の東京市場におけるゴボウは、対19年比で入荷量約10%減、単価は5%高くなった。主産地は青森県でシェア60%、群馬、茨城、埼玉の関東産地合計で20%、熊本、鹿児島、宮崎の九州産地合計で18%。このバランスは、ほぼ変わらない。不思議なことに、すべての産地が一律に10%減っている。年間を通じると、1~3月は増えたが、5月から年末まで前年同月を割っており、とりわけ9月以降は減り方が大きい。
【背景】20年の特徴は、19年の9月からの入荷増に連動して、年明けから“放出”が続いたこと。4月以降に入荷が減ったのは、コロナの緊急事態宣言が出て業務用需要減が見込まれたうえに、7月の日照不足と8月の猛暑の影響から、9月以降の生産~出荷量が減ったからでもある。こうした経緯を考えると、各産地とも同様の条件だったことから、偶然出荷傾向が合致したようにもみえるが、どうやら各産地とも情報を共有して足並みを揃えたようでもある。
会員の方はここからログイン
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)