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プラウ耕は、長らく「深耕」とセットで語られてきた。しかし、圃場によっては「深く耕せばいいというものではない」という声が聞こえてくる。例えば、合筆をする場合には盛土と切土を埋めるために、最低でも14インチ以上のボトムが必要という。緑肥を鋤き込んだり、雑草や野草稲等の種を埋没させたりする際には、深さ20cm以上の下層がターゲットになる。当然、浅耕では代替できない。
しかし、重粘土の水田で奮闘しているユーザーらは「合筆後は土の移動を最小限に抑えたい」「浅く起こして、レベラーも2回くらいクルクル回って、さっさと終わらせたい」と語る。「例年、圃場づくりをしてきた圃場は平らに仕上がっているため、敢えて深く起こしてボコボコにしたくない」という話も聞いた。どういう圃場を目指して、どの作業を選ぶのか。プラウで耕すのが目的ではなく、目的や後工程までを熟慮すれば、複数のプラウを装備し、目的や圃場条件によって使い分ける意味も出てくる。
耕作面積が増えると、深く起こす圃場もあれば、浅く起こして作業効率を優先する圃場もつくらなければ、労働力がいくらあっても間に合わなくなる。水田用プラウの発売以来25年間で、プラウ耕や乾田直播を実践する農業者が増え、地耐力のある水田では農機の大型化が進み、100馬力超えのトラクターも珍しくなくなった。多連のプラウが活躍できる環境が整ってきたことも後押ししている。
ロータリー作業の代わりに混和作業をも担えるか?
ところで、浅耕プラウには反転耕以外に、表層の残渣物や丈の短い緑肥を土と混和する作業も期待されている。その目的では、水田に限らず畑にも活躍の場は広がるだろう。7連、8連は丘曳き専用で、面倒な調整が要らないという点も強みだ。これまでロータリーで片付けてきた作業を引き受けられるのか。トラクターや畑作用作業機は海外からの輸入品も台頭しているが、耕深20cm以下の浅耕に適したプラウの海外品は届いていない。ぜひ実際に現場で使ってみて、議論を深めていただきたい。
(加藤祐子)
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