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特集

AGRI FACT(後編)


何も知らないくせに、ではなく、わかってもらいたい側が言葉を尽くすこと、不安に思う側の言葉に耳を傾けることが、もっと必要だと思う。だからといって根拠もなく恐怖を煽る反農薬運動が少しも免責されるわけではないが、少なくとも声の大きさという点では、完全に負けてしまっている。

■ 農薬を理解する映像はあるのだが……

農産物の安定供給が実現され、インフラとして社会に浸透しきったことで、その景色が当たり前となり、かえってありがたみを感じる機会がなく、デメリットばかりに目が向いてしまう。また、改善が進んでいることが伝わらず、根強い不安感がデマの温床となる。ワクチン忌避が広がる構造にも、驚くほど似ているように思う。
コロナワクチンに関してはその切実さもあって、厚労省や医療関係者有志による噛み砕いた丁寧な情報提供がおこなわれているが、食に関してはまだそこに至っていない。
農水省の作成した資料もあるにはあるが、お世辞にも読みやすいとは言えないし、無味乾燥な事実を淡々と述べた文書が、そもそも不信感や不安を持っている人に響くとは思えない。もう少し何かないかと検索すると、農薬工業会が制作したミニドラマ風の動画が出てきたのだが、予算の都合なのか、なんとも言えない仕上がりで、失礼ながらこれを視聴して安心する人はあまりいないのではないかと思う。ちょっと無理だった。

■ 改めて農薬の勉強会を開きませんか

そこであらためて提案したいのは、まずはオーガニックを掲げる小売や飲食店の従業員から、農薬の勉強会を開いてはどうか、ということ。日々忙しいとは思うが、価値を伝える側に立つ人には、学び続ける責任がある。
知ることで一時的にそれまでの信念に揺らぎが生じたり、気持ちよく何かを断言できなくなるかもしれない。でも、どちらとも言えない気持ち悪い中腰の姿勢を維持する胆力って、とにかく言い切る強い言葉が溢れる社会にあって、とても大事だと思うのだ。
学んだ上で、やっぱりオーガニックだよね、と再認識できるのであれば、何よりだと思う。少なくとも無用な分断を再生産する側に回ってしまうことは、回避できるのではないだろうか。
やってみたい、という方は声を掛けていただければお手伝いくらいは喜んでしたいし、すでにやっているという事例があれば、今後のコラム等でも紹介させていただきたい。

[そもそも育種ってどのようなもの?【私たちのそして世界の食生活を支える育種技術】]

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