記事閲覧
ぎる。実際、ニューヨーク州において農地は、牧草地、放牧地、その他の生態系に囲まれているのでトウワタは絶滅しない、また北部のオオカバマダラの生息数がこの21年間で減った証拠はないという論文などが次々掲載された。そのほかにも、メキシコの越冬個体がどこで餌を取ったのかについて調べた論文や、森林密度と個体数の相関関係、オオカバマダラに寄生する原虫(Ohpryocystis elektroscriira)のレベルについての論文など、グリホサート単独ではない「複合的な要因」の追究が始まっている。
つまり、研究が進んだ近年では、オオカバマダラ激減の原因はグリホサート使用によるトウワタの減少が唯一の原因という説は否定され、気候変動、寄生虫、森林面積の減少など複数の原因がかかわっているという説が主流である。グリホサートに歪曲化すべきではない。オオカバマダラ激減問題の詳細については「旅する蝶オオカバマダラ激減の原因はグリホサートだけではない【解説】」を参照されたい。
https://agrifact.jp/explanation-monarchbutterfly/
したがって、近年の研究成果・最新の知見を無視した「グリホサートが蝶の激減に影響を与えている」という印鑰氏の投稿は、「事実関係に誤り」(評価基準と判定)と判断される。
(3) 食の質問に答えます
[国際がん研究機関(IARC)が“おそらく発がん性がある”グループ2Aに分類しています。やはり安全とは言えないのではないですか?]
誤解している人が多いのですが、IARCの分類は「科学的根拠の強さ」、わかりやすく言うと「発がん性が疑われると結論付けた論文がある」と言っているだけです。
■ 発がんリスクの高さを分類したものではない
そうした論文の数が一番多いものがグループ1、その次に多いものをグループ2に分類しているということです。決して実際の発がんリスクの高さ(発がん性の強さの証明)を分類したものではありません。
私たちが普段から口にする加工肉や赤身肉、あるいは理容業などと発がん性を結び付けている分類の中身を見れば、実際にそれでがん患者が出ているということではないことがよくわかると思います。
■ IARCの評価は間違いであったことを裁判で認めた
また、分類に使用した論文の中には方法論や再現性の点で疑問があるものが含まれているという批判もあります。ラウンドアップについては「発がん性はない」として多くの批判が出され、加工肉と赤身肉についても「発がん性は認められない」という論文が出されました。
会員の方はここからログイン
編集部
特集
ランキング
WHAT'S NEW
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2020/12/17)
