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今年の市場相場を読む

年間通して入荷しているマメ科野菜類 インゲン/サヤエンドウ/ソラマメ/エダマメ

マメ科野菜類は基本的には季節野菜。和食の世界では、旬を「さかり」、旬より早いものは「はしり」、遅く出るのは「なごり」として、正式な和食の「先付け」は、この3つの要素を取り入れるのが決まりだ。生産技術的にいえば、早く出す「促成」栽培、遅く出す「抑制」栽培。早出しは高値がつく。今でも、青果卸売会社の“花形部門”は「促成部」である。マメ科野菜類は促成、抑制が競い合うことで周年化した。

インゲン/豆類野菜には珍しい周年供給体制、極端な増減に対策を

【概況】東京市場のインゲンの入荷量は、年間を通じると2700t前後。他の豆類野菜は季節性が強く、大きなピークを作る入荷パターンなのに、インゲンは毎月ほぼ220t平均で入荷している。冬場は沖縄、鹿児島などの九州圏、春から夏にかけては千葉、茨城など関東圏、夏後半から秋は福島、青森などの東北圏からと、年間リレー供給体制が形成されているからだ。消費者にとって季節野菜という意識はあまりなく、年間通して利用している。
【背景】インゲンは本来、春から夏にかけてが生産適温であり、この時期に出てくる関東・東北産地でほぼ50%を占める。一方で、1月から桜が咲く亜熱帯の沖縄で促成栽培すれば、本土の厳冬期に生産・出荷が可能で、「季節早どり」にはメリットがある。早出しが有利販売されるや鹿児島、長崎などの九州産地がこぞって生産導入したことで単価もこなれ、冬から春先までの早出し需要が生まれた。近年では幅広の品種(サーベル、マンズナル等)が支持されている。
【今後の対応】前年8月から直近の7月までの1年間でみると、20年9月に福島産が猛暑被害で出荷が半減し、単価が前年より1.5倍になった。21年1月には、コロナ禍も手伝って沖縄産中心に前年より4割近く減り、単価も1.4倍となった。豆類は天候に左右されたり手もかかるといわれる一方、小売販売用も業務用も安定した需要があるために、大きな入荷増減と価格暴騰が起きやすい。国産の緊急時にはモロッコ産が飛んでくる。国産での補完体制が必要だ。

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