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新・農業経営者ルポ

有機農家の専門農協を作りたい


「利用できるのは、有機農業を25%に増やしたいと国が言ったという、そこだけだと思っているんですよ。僕らからしたら、地元で有機農業は行政から見向きもされない。国が25%にしようと言うとるんだったら、それなりの施策をとらないかんのじゃないですかと、行政に対して言いやすくなる。それが一番の効果」
コメの有機栽培は、除草のための機械や技術が発展してきたおかげで、比較的簡単にできると首藤は言う。
「有機栽培で作れるだけの面積もあるじゃないですか。日本は人口が減るし、ただでさえ生産調整をしていて、そもそも面積当たりの生産量を上げる必要がない局面に来ている」
地域によっては4割程度の生産調整をしているわけだが、有機栽培にすれば、生産量は慣行の7割程度になるので、3割を生産調整しているのと同じになる。
「慣行栽培で生産調整するよりは、有機栽培の面積を増やして、田んぼを維持しながら有機栽培の面積も確保していく方がいい」

県の範囲で有機の専門農協を

維里のコメの販売価格は通常の3倍ほどする。かかった手間暇を反映するとこの価格になり、自然栽培米の相場と同じではあるものの、首藤はこの価格に安住するつもりはない。「今の価格は、よっぽど好きな人じゃないと、手が出ない」からだ。
「うちだけが有機栽培を一生懸命していても意味がない。有機農産物を作って、買うことが、皆にとって当たり前の選択肢になっていく。これからはそれをやりたい」
そのために首藤は、有機や自然栽培といった環境保全型農業をする生産者の専門農協を愛媛県で作るべく活動中だ。共同で機械を利用したり、資材を購入したり、集出荷したりすることで、有機の生産者と生産量を増やし、コストを抑える。
「自然栽培や有機栽培の農産物を、慣行栽培に比べて1.2~1.5倍の値段で売れれば、一般の消費者の選択肢にも入るはずなんですよ。そこまで持っていきたい」
ただし、専門農協を作ってさまざまなことを共有するには、構成員がある程度近い範囲にいなければならない。ただ、有機生産者は100人や200人に1人くらいしかいないため、自治体単位では組織を作れるほど人数が集まらない。そのため、県を単位に有機や自然栽培の農家のグループを作ろうとしている。

インボイス導入は有機農家の危機

専門農協の結成は、2023年のインボイス制度導入を見据えたものでもある。消費税率や税額を正しく伝えるための書類「適格請求書(インボイス)」は、消費税の課税事業者でないと発行できない。このインボイスがないと、買い手は仕入れ額から消費税の控除を受けることができなくなる。

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