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コメ記者熊野のコメ市場情報

「虚しい」需給見通しでは効果的な政策など打てない

21年産米が本格的に出回り始めた。8月盆過ぎに関東早期米が市場にお目見えしたのに続き、9月上旬には主力のコシヒカリ、中旬には北海道、東北の新米が首都圏に流入し始めた。
新米がこの時期に出回り始めるのは例年のことだが、21年産はこれまでとは違う環境でのスタートとなった。それは「過剰の下で始まり」ということに留まらず、コメ政策が本当にこのままで良いのかという政策の本質を揺るがす大きな環境変化を伴っている。
農水省は「マーケットイン」という標語を盛んに口にしながら、最も進んだ市場取引形態である「コメ先物市場」の本上場を認可せず、葬り去った。その一方で、自民党の要請を受けて新たな現物市場を設立すべく、実務者による第1回検討会を9月17日に開催した。新たな現物市場は来年3月までにその姿を示す計画である。コメの市場とは何なのか? その理解を深めるべく、かつコメの価格はどのようにして決まっていくのかを具体的事例に即して紹介していくとともに、危機的とも言える日本のコメ作農業・業界が復活するためにはどのような市場があれば良いのかに焦点を当て、連載を開始する。

下げ止まらない21年産米1万円下支え機能せず

新米の価格動向を知るうえで、全国から注目される取引会は、千葉市で毎年開催される新米席上取引会である。千葉穀類連絡協議会が主催するこの取引会は例年、関東早期米が出回り始める8月中旬に開催される。昨年はコロナ禍で中止されたが、今年は開催を求める声が多く寄せられたことから8月20日に開催された。

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