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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

コロンビア コカ・大麻の違法経済からの脱却と合法化による大麻ビジネスへの期待

南米の北西部に位置するコロンビア共和国、その国名はアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスに由来する(図1)。人口は約4800万人で、民族的には混血が75%を占め、公用語はスペイン語である。
貧富の差が大きく、国民の約3分の1が貧困層にあるとされている。国土面積は日本の約3倍あるが、農耕地は永年採草地・放牧地を除くと約3.3%に限られる。コーヒーやバラなどの切花、鉱物のエメラルドの輸出国として知られている。

違法大麻の黄金時代

コロンビアで大麻栽培が始まった正確な時期は不明だが、スペインとポルトガルの植民者が到着した15世紀に遡る。彼らとともに入植した西アフリカからの奴隷が大麻を持ち込んだといわれている。大麻を喫煙する習慣は、タバコを吸うことに慣れていた一部の先住民が取り入れ、大麻を栽培して娯楽や宗教的な行為に使用する伝統が確立された。
第二次世界大戦後、大麻生産の中心地となったのは北部のカリブ海沿岸の都市、サンタマルタだった。その当時はバナナを積んだ船で、マリファナを米国のフロリダに送っていたという。1960年代には違法経済が活性化し、大西洋岸の小規模農家の80%が大麻栽培に加担していた。北米で広がったヒッピーなどのカウンターカルチャー運動、あるいはコロンビア国内のコーヒーと綿花の経済的な不振がその背景にあった。
70年代になると国際的に違法大麻の輸出国として知られるようになり、全米金融機関協会(ANIF)の発表によると、「マリファナはコロンビアの国内総生産(GDP)の7.5%、国内農業生産の3.2%、貿易の29%を占めていた」。さらに政府は、同国の中央銀行にあたるレプブリカ銀行が、マリファナやコカインなどの違法取引で得た資金でも出所を考慮せずにドルからペソへと交換できる仕組みを制度化した。違法経済が横行した75~85年の大麻黄金時代は、のちに「ボナンザ・マリンベラ(La Bonanza Marimbera)」と呼ばれ、この資金洗浄の仕組みは国際的に批判を浴びた。

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