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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

コロンビア コカ・大麻の違法経済からの脱却と合法化による大麻ビジネスへの期待


一方、大麻の有力な輸出先だった米国では、ニクソン大統領が71年に違法薬物の生産・流通・消費を阻止するために軍事介入する「薬物戦争」に言及した。翌72年には、「麻薬および向精神薬に関する南米協定(ASEP)」と麻薬単一条約の批准により、米国麻薬取締局(DEA)の支援を受けて国家や社会習慣に対する脅威となる薬物を根絶するべく、輸送手段となるトラックの破壊、密売人への軍事介入、農薬による大麻作物の破壊キャンペーンを実施した。その効果はてき面で、違法大麻を栽培する小規模農家が激減し、米国カリフォルニア州での自家栽培の普及により、コロンビアからの違法大麻の輸出は不振に陥った。こうして、コロンビアの大麻黄金時代は幕を閉じた。

医療用大麻の解禁でヘンプも法整備へ

その後、同国での大麻は、86年に制定された法律第30号「国家麻薬法」により、国際薬物条約に従い包括的に禁止された。ところが、米国による薬物戦争が泥沼化したなかで、15年に転機が訪れた。薬物政策諮問委員会が発表した『薬物政策への新しいアプローチに関するガイドライン』に、医療用大麻を解禁する提言が含まれたのだ。並行して、フアン・マヌエル・ガラン上院議員から医療用大麻を制度化する新法案が提出された。議会での議論は加速し、サントス大統領は医療用大麻を合法化する政令2467号に署名した。16年に制定された法律1787号は、提案者に敬意を表して「ガラン法」と呼ばれている。
ガラン法では、(1)大麻派生物の製造、(2)種子生産・育苗、(3)精神作用のある大麻の栽培、(4)精神作用のない大麻の栽培の4つの免許が制度化された(表1)。産業用ヘンプは、「(4)精神作用のない大麻の栽培」に該当し、THC濃度が1%未満で、コロンビア農業研究所(ICA)に登録された品種を使うことが義務付けられた。18年以降、大麻栽培免許の交付数は増え続けている(図2)。恵まれた気候条件、生産コストの低さ、輸出の可能性、法律の整備などを受けて、新たな大麻ビジネスは同国の人々を熱狂させているようだ。

違法なコカの代替作物に小規模栽培者へも配慮

ガラン法が画期的なのは、0.5ha未満の小規模栽培者にも栽培免許を交付し、さらには大麻派生物の製造免許を持つ企業に少なくとも原材料の10%をそこからの購入を義務付けている点である。そこには、世界一の違法コカイン製造国からの脱却という狙いがある。

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