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山口亮子の中国のアグリテック最新事情

恒大はなぜブタを飼う 不動産バブルと養豚

経営危機に陥っている中国恒大集団は、不動産大手としては早くから養豚に参入していた。デフォルト(債務不履行)に陥ると、中国の不動産バブルだけでなく、世界経済まで影響しそうな恒大はなぜ養豚に進出したのか。恒大に限らず不動産大手が養豚を始める理由とは。

不動産と養豚二つのバブル

恒大は社債の利払いができない状態が続いており、原稿を執筆している9月下旬時点で、デフォルトは不可避とみられている。デフォルトにより、これまで持ちこたえてきた中国のバブルが、一気に崩壊するかもしれない。悪い意味で一時代を画するかもしれない恒大は、多数のグループ会社を持つ。最も有名なのは自動車で、旅行や物流、健康、介護、農業など多角化を進めてきた。養豚にも2016年に参入済みだ。
中国の不動産大手は、恒大のほかにも万科、碧桂園、万達などが養豚に参入している。最大手の万科は、20年の上半期に食品事業部を新設し、養豚への参入を表明した。SNSで養豚に携わるマネージャーや獣医を募ったこともあって話題を呼び、「家を売るよりブタを飼う方が儲かるのか」と騒がれた。
当時の中国は、18年に始まった豚熱の流行や新型コロナ感染拡大に伴う物流の滞りなどがあり、ブタの飼養頭数と輸入量の減少で豚肉価格が高騰していた。19~20年にかけて、養豚大手の経営者が億万長者のランキングで一気に順位を上げ、上位に食い込むようになる。急減した飼養頭数を回復するため、政府は補助金を出して養豚場の建設を促した。その結果、大手は一層の規模拡大に奔走し、万科のような異業種の参入も相次いだ。養豚業界はバブルに沸いた。
かたや不動産業界はというと、新型コロナの感染拡大に伴う経済の悪化で、打撃を受けていた。そもそも、中国の政府と世論は、投機目的の不動産の売買を歓迎していない。業界がバブルで成長を遂げた反面、中国人にとって結婚の必須条件である家を買うのは絶望的な状況だ。業を煮やした政府は、業界への規制を強めた。20年8月には資金調達の規制が強化され、社債に頼った経営をしていた恒大に、引導を渡す結果になったらしい。

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