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特集

ラウンドアップマックスロードの5リッター少水量散布という除草技術がもたらす経営的可能性


それに対してラウンドアップマックスロード処理区では、薬剤費は農業生産法人に一般的な200ボトルでの500ミリリットル換算で750円になり、耕起するトラクターの時速2.5kmと比較すると作業速度は時速3kmと速く、また耕起幅が2mに対して散布幅は15mと7.5倍の違いがあることから、人件費と燃料代が極めて安価に済んでいる。耕起の1回分を合算しても10a当たり4220円と、耕起慣行区の43%、つまり57%の削減になる。
ここに経営的可能性として「生産費の削減」が浮かび上がった。コメであれば米価の低迷があり、それ以外の作物でも生産資材や人件費の高騰が共通になっている。農業生産所得の低下を嘆くよりも前にすべきことはコスト高の慣行法の見直しではないだろうか。

経済的可能性(2)
投下労働時間当たりの収益向上

先ほど作業速度に触れたが、耕起に要した時間は各回10a当たり28分、これが3回で、耕起慣行区は84分/10aだった(図6)。ラウンドアップマックスロード処理区では、その散布が10a当たり4.2分で終わり、耕起1回分を加えても32分/10aと、耕起慣行区の38%、つまり62%の削減になる。
本誌では子実用トウモロコシ生産の有効性を盛んに訴えてきたが、その評価軸の一つに投下労働時間の短さがある。ここでは移植水稲をテーマにしているが、乾田直播に変更してロータリーハローや田植機の使用を取りやめ、高速作業が可能な非駆動型のスタブルカルチやドリルシーダーに切り替えれば、投下労働時間はさらに短縮される。仮にコメの販売単価が安く、面積当たりの収益が低くても、投下労働時間当たりで考えれば慣行法よりも収益性は高くなる。ここに経営的可能性として「投下労働時間当たりの収益向上」が浮かび上がった。

経済的可能性(3)
収量の阻害要因を未然に断つ

そもそも耕起での除草は万能なのか。実態からすると必ずしもそうとはいえない。除草目的で耕起したのに雑草が生えてきて頭を抱えた経験を持つ農業者もいるだろう。
特に水田土壌については粘土質で耕起しづらく、大きな土塊が残ってしまう(写真3)。何度耕起しても既発生雑草(埋没株)は枯死せずに再生してくる。耕起前にラウンドアップマックスロードを散布し、根まで枯らしておくことがポイントとなる。
地域特性もあるが、九州での麦の
栽培では耕起と播種を経て、出芽前のタイミングで土壌処理除草剤を散布する除草体系がある。しかし、

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