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江刺の稲

トウモロコシと畑作技術体系を叫び続ける

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第305回 2021年11月29日

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改めて子実トウモロコシに注目してみようと思う。すでに北海道だけで1000haを超え、全国では1500haに達しようとしているという。水田飼料作としての子実生産にも都合4万5000円の交付金も付いているが、府県では広がりがもう一歩という感がある。
子実トウモロコシを取り巻く環境が大きく変わってきた。貿易統計によれば今年9月のトウモロコシの輸入価格は飼料用でもt当たりで3万2848円。コーンフレーク用では3万5345円。kgにしたら32.8円と35.3円だ。Non-GMならさらにプレミアが付く。過去10年で最も高かった2013年のレベルまで高騰している。アメリカの利上げや景気回復などでもう 一歩の円安に向かいかねない。それだけでなく石油価格は今後も高値水準が続きそうで、それにも引っ張られる形で輸入価格の高騰は進みそうだ。
トウモロコシの輸入価格は様々な要因で変動する。アメリカを中心とする原産国の作柄や在庫量、為替水準、海上運賃、石油価格その他の金融商品の価格の推移に左右される。それに加えて、中国によるトウモロコシ、大豆などの飼料穀物の爆買いは続くだろう。それに加えてCO削減という値上がりの条件が出てきた。
アメリカは2030年までに2005年比で温室効果ガス排出を50%削減すると発表している。アメリカがエネルギー調達の切り札としてきたシェールオイルを減産し、トウモロコシを原料とするバイオ燃料利用にさらに力が入るはずだ。この温室効果ガス削減という流れはおそらく収まる気配はなく、中国のトウモロコシ爆買いも変わらないだろう。

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