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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
リトアニア EUで最も合法化が遅れた国 種子・繊維からCBD製品に門戸開く
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第48回 2021年11月29日
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ヘンプの歴史は古く、リトアニア語で“Kanape”と呼ばれ親しまれていた。最も古いのは、紀元前3000年前の遺跡から発見されたヘンプの種子と紐、網である。しかし、第二次世界大戦以降は栽培が廃れた。
リトアニアはソ連崩壊後の1991年に独立した。04年に欧州連合(EU)に加盟後も、「麻薬および向精神薬管理法第7条」により、ヘンプを含むすべての大麻草の栽培を禁じた。同じ年にEUに加盟したバルト三国の、加盟以前に合法化したラトビア(本誌20年12月号)や、加盟後すぐに合法化したエストニア(本誌19年9月号)とは異なり、近年までEUで唯一のヘンプ栽培禁止国だった。
ところが、試験栽培は08~09年に一部の研究機関で開始され、その後、民間に100ha規模で栽培が広がった。EU規則が国内法より優先されることを担保に、イギリスやドイツでも行なわれた措置による。実践が先行したことで法整備が進み、13年に「産業用大麻法VII-336」が制定された。同法は14年に施行され、ヘンプは農業省の州作物局の管轄となった。栽培可能な品種は、EU規則と同じTHC濃度が0.2%以下に限られ、農場ごとにTHC濃度の検査が義務付けられている。
EU加盟27カ国で最も遅れて合法化
リトアニアはソ連崩壊後の1991年に独立した。04年に欧州連合(EU)に加盟後も、「麻薬および向精神薬管理法第7条」により、ヘンプを含むすべての大麻草の栽培を禁じた。同じ年にEUに加盟したバルト三国の、加盟以前に合法化したラトビア(本誌20年12月号)や、加盟後すぐに合法化したエストニア(本誌19年9月号)とは異なり、近年までEUで唯一のヘンプ栽培禁止国だった。
ところが、試験栽培は08~09年に一部の研究機関で開始され、その後、民間に100ha規模で栽培が広がった。EU規則が国内法より優先されることを担保に、イギリスやドイツでも行なわれた措置による。実践が先行したことで法整備が進み、13年に「産業用大麻法VII-336」が制定された。同法は14年に施行され、ヘンプは農業省の州作物局の管轄となった。栽培可能な品種は、EU規則と同じTHC濃度が0.2%以下に限られ、農場ごとにTHC濃度の検査が義務付けられている。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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