ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

リトアニア EUで最も合法化が遅れた国 種子・繊維からCBD製品に門戸開く

リトアニア共和国は、バルト三国のなかで最も南に位置し、面積は北海道の約3分の2、人口280万人の小国である。中世にはバルト海から黒海にまで領土を拡大した大公国だった栄光の歴史があり、首都ヴィリニュスの旧市街は世界遺産になっている。約4000の湖沼群をもつ平坦な低地が広がり、農業分野では酪農大国で、乳製品が加工輸出食品の3割を占める。古くから亜麻繊維産業が盛んで、日本にも輸出されている。
ヘンプの歴史は古く、リトアニア語で“Kanape”と呼ばれ親しまれていた。最も古いのは、紀元前3000年前の遺跡から発見されたヘンプの種子と紐、網である。しかし、第二次世界大戦以降は栽培が廃れた。

EU加盟27カ国で最も遅れて合法化

リトアニアはソ連崩壊後の1991年に独立した。04年に欧州連合(EU)に加盟後も、「麻薬および向精神薬管理法第7条」により、ヘンプを含むすべての大麻草の栽培を禁じた。同じ年にEUに加盟したバルト三国の、加盟以前に合法化したラトビア(本誌20年12月号)や、加盟後すぐに合法化したエストニア(本誌19年9月号)とは異なり、近年までEUで唯一のヘンプ栽培禁止国だった。
ところが、試験栽培は08~09年に一部の研究機関で開始され、その後、民間に100ha規模で栽培が広がった。EU規則が国内法より優先されることを担保に、イギリスやドイツでも行なわれた措置による。実践が先行したことで法整備が進み、13年に「産業用大麻法VII-336」が制定された。同法は14年に施行され、ヘンプは農業省の州作物局の管轄となった。栽培可能な品種は、EU規則と同じTHC濃度が0.2%以下に限られ、農場ごとにTHC濃度の検査が義務付けられている。

関連記事

powered by weblio