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人生・農業リセット再出発

上を見れば、キリが“ある”

桐一葉落ちて天下の秋を知る」は、千利休が秀吉に切腹させられたとき、桐の家紋を掲げる豊臣の天下に終わりを告げる痛烈な批判の辞世の句で、出典は前漢時代『淮南子』の国家衰亡を予兆する詩にある。
中国では聖天子の出現時に鳳凰が桐の木に留まると伝説があり、嵯峨天皇が衣類の刺繍や染め抜きに桐の葉を用いて神聖で高貴な紋章とし、“五七の桐”は天下人武家の家紋として、足利尊氏や信長、秀吉なども天皇から下賜された。以後、政府国章として大礼服や勲章の意匠になり、パスポートや金貨の装飾に使われ、法務省、総理大臣紋章として使われている。弥生時代の登呂遺跡では桐材の小琴が発掘され、『万葉集』に3首の桐の歌が収録され、世界最古小説の紫式部『源氏物語』も、第一章に「桐壺」を選び、桐を特別な“嘉木”とした。坪内逍遙『桐一葉』、北原白秋『桐の花』など頻繁にテーマとされている。
桐は木ではなく草木の類で、ゴマノハグサ科の落葉広葉樹だが、「桐」の字が「木」と「同じ」と書くようにほとんど木だ。岩石地や砂礫地など痩せた地盤で長期成長したものが最も良く、名楽器には樹齢200年の桐材が音響が良いと琴などの材料に使われた。

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