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それでも一旦動き出すと、いろいろな風が吹き始めるもので、小麦の国際価格が高くなり、その対策を考えなければいけないとか、セブン-イレブン側も原料の安定供給のためには国産原料をもっと使うことが使命だとか、SDGsにも合致するという声があがってきました。
実際にセブン-イレブンの棚に並んだ商品を見ると、ゆめかおりの生産に参加したいという農家が増えるかもしれないし、土地を預けたいという人も出てくるかもしれません。栽培研究会のゆめかおりの生産量は21年産で720tですが、1000t、2000tという産地になれば「さすが茨城県だよね」という評判になり、生産者の満足感が高まるでしょう。何よりもそれで経営を立てられるというのが農業にとっては一番大事なことだと思います。
【地域の原材料を知って国内の農業を応援したい】
コンビニエンスストアは商品を売ることが一番の仕事です。その商品をきちんとした考えできちんと作れば、そのこと自体で社会貢献できます。会社全体に理解が広がり、ゆめかおりパンなどの取り組みが、今までの常識を変えるきっかけになったらという思いもありますが、私はその変化を待つだけでなく、担当者に直接声をかけています。
セブン-イレブンの焼きたてパンを製造している会社には、商品開発が得意な会社もあれば、市場分析に基づく商品提案が得意な会社もあります。うちの会社は、商品開発は下手ですが、地元の原材料を発掘して商品化するところが得意です。販売エリアが茨城・栃木・福島に限られるので、そのエリアのお客様に響く原材料を発掘してきました。例えば国産のブルーベリーはコンビニエンスストア向けで使用することが稀でした。どこと取り組めば実現できるのか、農場を探すところから始めたこともあります。サラリーマン時代から「もったいないもの」を世に知らしめることが好きでしたが、それが農産物に変わるとは思ってもいませんでした。いまでは、情報網が広がり、いろいろな「もったいないもの」が見つかります。何かを応援するときは、すぐに応援してくれる人、じっと観察している人、変化を拒む人、うるさいと煙たがる人などさまざまですが、何度も通っているうちに仲間が増えていき、成功が近づいてきます。
原材料の発掘を始めると、いろんな人に出会います。私がその人の魅力を知っただけではその人は何も変わりません。この人と会わせたら何か反応が起きるぞ!! 実際に会わせたら掛け算で大きな成果が出て社会が良くなるという体験もしてきました。
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