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【江刺の稲】
ボヤキの年になりそうだが頑張ろう
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第306回 2021年12月24日
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多くの本誌読者の場合、2022年度分は調達済みだが、その先は予想が立たない。特に府県では「ほとんどの農家はまだそんな状況すら認識していないのではないか」と皆が話す。世界に広がる自国第一主義、原油高、円安、海上運賃の高騰、中国やロシアの動き、COP26に合わせた各国のCO2削減の動きにつれたエネルギー政策の変化もこれに拍車をかける。輸入穀物の高騰などと合わせて、肥料調達不安は今後とも続くのは間違いない。いよいよ汚泥肥料の調達を真剣に考えたほうがよさそうだ。
さらに皆のボヤキは「水田リノベーション事業」に及ぶ。「水稲と転換作物とのブロックローテーション体系を構築するため、過去5年間に一度も水張りが行なわれていない農地は交付対象水田から除外する」というニュース。水田をすべて転作して麦や大豆を作り続けている優れた水田地帯の畑作農家もいる。彼こそ農業政策に協力してコメ余りを防ぐために努力してきた人ではないのか? 様々にひねくり出されてきた水田政策。その都度辻褄合わせを繰り返してきたために、意味がわからなくなる。「どうせまた次が出てくるよ」と農家は猫の目を伺うようになる。そもそもなぜブロックローテーションにこだわるのだろう。交付金の財源に不安があるのなら、ただ単に飼料用米に対する法外な交付金を大幅に減額するのが一番良い方法だと思うのだが。
さらに皆のボヤキは「水田リノベーション事業」に及ぶ。「水稲と転換作物とのブロックローテーション体系を構築するため、過去5年間に一度も水張りが行なわれていない農地は交付対象水田から除外する」というニュース。水田をすべて転作して麦や大豆を作り続けている優れた水田地帯の畑作農家もいる。彼こそ農業政策に協力してコメ余りを防ぐために努力してきた人ではないのか? 様々にひねくり出されてきた水田政策。その都度辻褄合わせを繰り返してきたために、意味がわからなくなる。「どうせまた次が出てくるよ」と農家は猫の目を伺うようになる。そもそもなぜブロックローテーションにこだわるのだろう。交付金の財源に不安があるのなら、ただ単に飼料用米に対する法外な交付金を大幅に減額するのが一番良い方法だと思うのだが。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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