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このお二人
伝統建築の世界では
他府県からもひっきりなしに
声がかかるほど優秀な職人さん。
伝統的な技術を若い頃からしっかり修行されたお仕事は
思わずため息が出るほど美しい。
対して子たちは
農場内でウッドデッキや
ウッドデッキの屋根など
少々隙間があいていたり
垂直がちょっと歪んでいても
安全性に問題がなければ
「おおらかですね」と笑ってもらえるような
比較的簡単な工事を
独学でやってきました。
ですので
こんなプロ中のプロというような方々と
いっしょに仕事させていただくのは今回が初めて。
許される誤差は多くても0.5ミリくらいでしょうか。
日常的にも仲良くしていただいている友達みたいな知り合いの大工さんとはいえ
仕事が始まると
「さすがにプロは違うな」という緊張感がはしります。
材料は絶対床に直置きしない。
木の種類によっては絶対素手で触らない。
使っている道具等を一時的に置くにしろ
次に使うことや一緒に仕事をする他の職人のことを頭に入れつつ
常に整理整頓して置く。
小さな頃から
自分たちの思うままに
切ったり貼ったり
自由にものつくりをやってきた子たちからすると
あまりの違いに
初めは面食らっていましたが
お手伝いの回を重ねるごとに
整理整頓することの意味や良さを理解しはじめ
最後の方にはその緊張感に
心地よさまで感ずるようになったそうです。
日常的に慣れているメートル法から尺貫法へのきりかえ。
長い線は鉛筆ではなく墨壺(材木に直線を引いたりする大工道具)。
壁や天井板を貼り始める前に
使う材の数や両端の材の幅をあわせるための割り付けという計算や
長い材を縦に切るには
電動丸ノコを使っての縦挽きなど
難易度の高い作業も
多かったのですが
チャレンジ精神旺盛な
若者にとっては
楽しい以外の何物でも
なかったようで
最初は非常に
時間がかかっていた作業も
正確に速くできるようになり
最後は大工さんや左官屋さんから
「なかなかええ仕事しとったで
一人くらい弟子入りせんか」
と褒めていただきました。
しっかり準備。
仕事中も現場を綺麗に。
安全第一。
かつ速く正確にそして美しく。
適度な休憩。
きちんと後かたづけ。
今回プロの現場で
経験させていただいたことは
いままで子たちが苦手としてきたことばかりでしたが
苦手を克服するという楽しみも
見つけたようです。
僕たちの今後の暮らしに新たな風が吹きそうです。
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山本晋也 ヤマモトシンヤ
副村長
みわダッシュ村
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動。そのかたわらオーガニックレストランを経営するも食材を種から作ってみたくなり、京都市内で畑を始める。結婚して3人の子供を授かったころ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。土と向き合ううち田畑と山や川、個人とコミュニティーの関係やその重要性に気がつき、田舎も都会もすべて含めた「大きな意味での自給」を強く意識するようになる。この考え方は、美術家時代にドイツの現代美術家ヨゼフボイスのすべての人が参加して創り上げる社会彫刻という概念に影響を受けた。現在みわ・ダッシュ村副村長。
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