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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
中国(3) 麻の実を常食する習慣を持つ世界的に有名な長寿の里
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第49回 2021年12月24日
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麻の実を五世代で常食
『神農本草経』の“不老神仙”を実践し、その効果を証明している地域が中国南西部にある。ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区巴馬(バーマ)ヤオ族自治県だ(図1)。ここが世界有数の“長寿の里”として知られるようになったのは、日本人医師で食養生の権威である故・森下敬一医師が率いた森下世界的長寿調査団の功績が大きい。1981年にドイツで行なわれた第12回国際老年医学会で「世界長寿地帯」に、91年11月1日に東京で開かれた第13回国際自然医学会で「第五の長寿郷」として認定を受けた。09年5月にNHK・BSの『世界で一番長生きが多い里 ~中国・巴馬~』という90分のドキュメンタリー番組で紹介され、日本でも認知が広がった。
日本の平均寿命(20年)は男性が81.64歳、女性が87.74歳と世界最高水準だが、さすがに100歳以上になるとその半数が重度の寝たきりとなる。ところが、巴馬の長寿者はみな現役で、毎日急斜面の多い山間部の野良仕事を行ない、重度の寝たきりや認知症は報告されていないという。
巴馬が長寿の里になった要因について、巴馬長寿博物館の研究では、第一に自然環境、第二に食べ物を挙げている。具体的には、温暖な自然環境、自給自足で日の出とともに起きて暗くなったら寝るという規則正しい生活、中国国民の平均の半分ほどの摂取カロリー、大家族で互いの絆を大切にする文化などが該当する。食べ物による影響で特徴的なのは、麻の実を常食していることである(図2)。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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