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今年の市場相場を読む

コロナ禍でどうなった成長期待される野菜類 ズッキーニ/カリフラワー/長ナス/アーリレッド

コロナ禍がちょうど2年を経て一休みしている。2020年については、野菜類の需要構造も激変。全体的には業務用が低迷、不安定化し、代わって巣ごもり需要とも言うべき家庭での調理が増加した。これが21年に入ると、社会全体がコロナに慣れ、ワクチン接種も進んで沈静化。野菜の動向も、天候異変もなく作柄もほぼ順調で落ち着いてきた。この異常な2年間に、需要動向が注目されていた品目はどうなったか。

ズッキーニ/コロナで業務需要が不安定化しても家庭需要が底支え

【概況】東京市場におけるズッキーニは、2020年に10年前より2倍強もの急成長を果たした、最も代表的な成長品目である。とりわけ長野産が10年間で71%も伸びてシェアも25%となる一方、シェア30%の宮崎産も60%増えている。加えて、関東産地も茨城がシェア16%まで伸ばし、群馬や千葉、東北では岩手が増勢だ。21年は、10月までの統計で対20年比6%増。年内の宮崎産は1割程度の増加を見込んで、年間では7~8%増か。
【背景】ズッキーニが過去十数年成長頭となったのは、全農長野が園芸事業の「成長が期待できる」推奨品目だったからだ。アスパラと同様にキノコ農家の副業とする目論見は失敗したが、冬場から春先までを受け持つ宮崎産に続く、夏場のリレー産地がないことに着目して当てた。いったん東京市場で周年リレーされ需要が定着しはじめると、とくに近隣産地を中心に小規模ではあっても補完産地ができる。群馬や茨城、千葉あたりが一発狙いで抜け目なく作付けするものだ。
【今後の対応】食料増産期に見られた“農協主導”の品目導入や強力推進はそれなりに成功し、以降は下火になったが、最近では全農が代表する「県連機能」が実質的な園芸事業強化に着手する事例が増えた。広域集出荷・販売や需要者に契約的な生産・販売を提案、輸入野菜を国産に置き換えるための開発やGI等ブランディング、輸出事業への積極的参加等々。ズッキーニは巣ごもり需要が底支えした。いまこそ、回復基調の外食産業へメニュー提案のタイミングだ。

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