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特集

茨城県産パン用小麦「ゆめかおり」が紡ぐ物語~情熱が人を動かし、商品が生まれ、消費者に~ 後編


油谷 かなり前から、普及センターの支援はいずれ違う支援対象に移る時期が来ますという話をしてきました。栽培研究会のメンバーも自分の足で活動していかなければならないことを意識してくれているので、衛星画像の利用や、高額の分析機器の導入なども積極的に検討いただいています。
――油谷さんが支援された時期を総括していただけますか?
油谷 産地が急速に発展した時期で、ただただ充実した4年間でした。長く研究所にいて14年ぶりの普及の現場だったので、すべてが新鮮で、伊藤さんの「何でもやります」という姿勢を引き継いで、生産者の方とほぼ一緒に行動できたんですよね。かなり近い目線で物事を見て、共感を持って取り組めました。いろいろなところで「なんでここに普及員さんいるんですか?」と言われましたけど(笑)。その反面、4~6月にかけては、小麦が出穂して、SPADで葉色を測ったり、衛星画像から生育ムラを調べたり、それに基づいて生産者が追肥をするので、6月に収穫したときにタンパク含有率が13%を下回っていたらどうしよう……失敗したら損をさせてしまうというプレッシャーに押しつぶされそうでした。逆に13%を達成したとなると、一緒に喜べましたね。
――印象に残った出来事は?
油谷 栽培研究会に途中から参加されて1年目の方から収穫後に電話をいただいて、「収益を計算したら、ゆめかおりをやる前に比べて収益がびっくりするくらい増えているんだけど、俺の計算間違ってないかな」と。よくよく中身を見せていただいて「間違いありません」と答えたら、とても喜ばれていました。そういう瞬間に立ち会えたのは普及の仕事をしていて良かったと思える瞬間ですね。

【栽培研究会が抱える組織の拡大に伴う課題】

――最近の取り組み状況は?
坂井 私は花か野菜の担当しか経験がなかったので、1000tという目標が凄いかどうかもわかりませんでした。ただ、生産者に普及センターはお願いをすれば応えてくれるという良いイメージを持っていただいていたのは、先輩方の努力の結果だと感じました。
――セブン-イレブンの21年の取り組みはいかがでしたか?
坂井 「決まったよ」という知らせは突然届いたので、栽培研究会のメンバーも驚いていました。今回は定番商品にこだわって鳥山さんが頑張って動いてくださったので、製粉会社やセブン-イレブンの個別の店舗のオーナーさんとも意識共有をしたいとおっしゃって、一緒に動き始めました。

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