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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
ジャマイカ ラスタファリ信仰を尊重した法整備
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第50回 2022年01月28日
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農業分野では、熱帯性気候を生かして主食作物のキャッサバやサツマイモの生産量が多い。日本人にはコーヒー豆のブランド名であるブルーマウンテンの産地として知られている。
ジャマイカで大麻と言えば、花序由来の乾燥大麻「ガンジャ」が親しまれてきた。ジャマイカ島は1494年にコロンブスの第二回航海によって「発見」された後にスペイン領になったが、1670年に正式に英国領になった。1800年代にアフリカからの奴隷とアジアからの年季奉公人がガンジャの葉を祝うような儀式をしたことから、労働者階級にその文化が定着したとされている。
その後、ジャマイカ発の「ラスタファリズム」というアフリカ回帰主義の思想が、ガンジャと大きく関わってきた。 「黒人の王」による「黒人の解放」を願い、近代になってもアフリカで唯一植民地化されていなかったエチオピアを「黒人の故郷」とみなして、最後の皇帝「ハイレ・セラシエ1世」誕生に沸き立った。1930年代に下層階級にその信仰は広まった。
植民地政府は1913年にガンジャを違法としたが、ラスタファリ信仰者はその弾圧から逃れるために山奥でコミューン(小さい集落)をつくり、菜食主義やドレッドヘアの髪型、ガンジャを聖なるものとして崇める生活様式を実践していった。この思想を創設して普及したレナード・P・ハウエル氏の率いるコミューンで栽培されたガンジャは、第二次大戦中に英国に輸出されたという。62年に英国から独立後も、カリブ海地域におけるガンジャの栽培と消費は数十年にわたって、個人、特にラスタファリ信仰者にとって経済的・文化的に重要な意味を持ってきた。
ラスタファリ信仰と大麻
ジャマイカで大麻と言えば、花序由来の乾燥大麻「ガンジャ」が親しまれてきた。ジャマイカ島は1494年にコロンブスの第二回航海によって「発見」された後にスペイン領になったが、1670年に正式に英国領になった。1800年代にアフリカからの奴隷とアジアからの年季奉公人がガンジャの葉を祝うような儀式をしたことから、労働者階級にその文化が定着したとされている。
その後、ジャマイカ発の「ラスタファリズム」というアフリカ回帰主義の思想が、ガンジャと大きく関わってきた。 「黒人の王」による「黒人の解放」を願い、近代になってもアフリカで唯一植民地化されていなかったエチオピアを「黒人の故郷」とみなして、最後の皇帝「ハイレ・セラシエ1世」誕生に沸き立った。1930年代に下層階級にその信仰は広まった。
植民地政府は1913年にガンジャを違法としたが、ラスタファリ信仰者はその弾圧から逃れるために山奥でコミューン(小さい集落)をつくり、菜食主義やドレッドヘアの髪型、ガンジャを聖なるものとして崇める生活様式を実践していった。この思想を創設して普及したレナード・P・ハウエル氏の率いるコミューンで栽培されたガンジャは、第二次大戦中に英国に輸出されたという。62年に英国から独立後も、カリブ海地域におけるガンジャの栽培と消費は数十年にわたって、個人、特にラスタファリ信仰者にとって経済的・文化的に重要な意味を持ってきた。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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