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土門「辛」聞

財政圧迫リスク解消に向けて税金・補助金の見直しが始まったる

たまたまネット動画で観たABEMA NEWSの、2人の経済学者による「熱論」は、とても面白かった。テーマは、「えっ返せるの、国の借金1220兆円はヤバい」。
ヤバくないと主張したのが、モリタクの愛称でタレント活動する経済アナリストの森永卓郎さん。
「世界で一番健全な財政状態なのが日本なんですね。おそらくあと3000兆円くらいは(借金しても)何の問題もない」
ヤバいと切り返したのが経済評論家の藤巻健史さん。外資系銀行勤務時代に伝説のトレーダーとして名を馳せた。参院議員(日本維新の会)の経験もある。
「(これだけ借金したら)残念ながらダメでしょうね。だから日本経済がぐしゃぐしゃになるXデーは近々来るのかなと思っています。株、国債、円の大暴落。それをきっかけにハイパーインフレの時代が来る」
ご両人がそれぞれ主張を展開する形で番組は終了。その20日後、意外なところから、両者の議論にケリをつけるようなことが起きた。財務省の矢野康治次官が、21年10月8日発売の月刊誌「文藝春秋」11月号に異例の一文を投稿したことだ。タイトルも、そのものズバリ、「財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻する』」だ。
ヤバい説を裏付けるような内容だが、さすがに現職財務次官の小文だけに、藤巻氏が言及した、株、国債、円が大暴落するXデーのことには触れていない。財務次官は、財政再建を国民に呼びかけるのが財務次官の本意のようだった。
政府は財政再建の方向へ舵を切り始めた。新年早々そんなエピソードをいくつか紹介してみたい。

税務署が偽装免税業者潰しに動き始めた

日本農業最大の特徴は、零細兼業農家が多いことだ。わが税制は、なぜか零細兼業農家にとって有利に働くような仕組みになっている。その象徴例が、消費増税に伴う優遇措置。課税売上額が1000万円以下で一定の条件をクリアすれば、「免税業者」扱いになり、消費税の申告・納税義務から免れる。23年10月から実施予定のインボイス制度に伴う優遇措置だ。本コラム昨年12月号で取り上げた農協等特例・卸売市場特例のことである。
ところが財政再建の敵がいる。実際には課税売上額が1000万円以上あるのに、売上を抜くなどして、消費税の申告・納税義務から免れようとする“偽装免税業者”になりすます農家だ。

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