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コメ記者熊野のコメ市場情報

新商品の芽を摘んでしまう 用途限定という無用の縛り

今年2022年はコメ業界にかつてない大きな変化が起きると予測される。大幅な主食用米の減産計画や資材の高騰、検査制度見直しなど生産・流通の変化に留まらず、需要面でも少子高齢化に伴うコメの消費減に加え、次々に登場する「コメ代替商品」など競合商品との競争激化により、コメの居所そのものが失われようとしている。
まさに四面楚歌といった状況に置かれることが想定される。インボイス制度の導入も翌年に控える。
なぜ、日本の国土に最も適した持続可能な農産物である「コメ」がこれほどまでに苦境に陥っているのか? その原因の本質を突き止め、大胆な改革を行なわないと日本の稲作農業は死に体になってしまう恐れがある。何よりもコメそのものが持つ価値を見直し、最大限発揮できる「商品」を開発して需要の回復を図ることが急務である。
それにはコメと競合する商品と価値や価格のうえでも勝るものを国内外の市場に投入する必要がある。さらにはコメの価値を正当に評価できる自由で公平でオープンな市場が無くてはならない。国の制度で価格や用途を縛られていたのではいつまでたってもマーケットインの発想でのコメの生産ができるはずがない。

急がれる需要回復対策 競合食品を恐れていては……

コメ業界で今年真っ先に取り組まなくてはならないことは、加速する需要減少を止め、回復させることである。
昨年末に料理レシピサイトのクックパッドが発表した21年度の食のトレンド大賞は「オートミールごはん」である。オートミールはえん麦を脱穀して調理しやすく加工したもので、コメの代替食品として注目されている。
このオートミールは玄米などの健康食材と同様に精白を行なっておらず、外皮を残したまま加工される全粒穀物食のため、栄養価が非常に豊富な食品として知られている。特徴として白米と比べて食物繊維は20倍も含まれており、玄米と比べても3・5倍、鉄分は2倍、カルシウムは5倍も含まれており、ダイエット食として関心が高まっている。

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