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今年の市場相場を読む

コロナ禍でどうなった成長期待される野菜類 ズッキーニ/カリフラワー/長ナス/アーリレッド



ホウレンソウ/入荷量を維持したが出荷傾向に温暖化の影響が

【概況】東京市場におけるホウレンソウの10年間対比では、入荷量・単価とも2%前後のブレでほぼ変化なし。野菜全体に消費減傾向だから横ばいは「実質は増加」である。ただし月ごとでみると、11月~2月が減ったのと対照的に、3~6月は明確に増えている。産地構成をみると33%を占めていた群馬は14ポイント増えシェア37%で変わらずトップだが、2、3位の埼玉、千葉がともに半減。代わって2倍増の茨城産が33%で2位につけている。
【背景】葉物は近郊産地からの供給が中心になる。近郊は遠隔産地に比べて系統共販の割合は低く、生産者個人やグループが東京市場の相場の推移等を確認しながら、出荷調整したり作付けの増減を決める。首都圏でもやや遠方になる群馬や栃木は、系統による生産~集出荷の掌握が強い。そのため、ホウレンソウについては群馬は標高差を利用した夏ホウレンソウや冬の“寒締め”を、栃木は開拓農協の立地を生かした夏ホウレンソウへの対応はブレてない。
【今後の対応】かつて群馬などでは“寒締め”とは「零度になる日を1週間程度経たもの」など定義があった。実際に寒締めは葉も厚く形もロゼッタ型で甘みも強い。零度でなくても寒さに当たったものは葉が縮むことから“縮みホウレンソウ”という商品名のものも広がり、やがて専用品種も出る。温暖化傾向によって真冬の出荷割合が減り、増えるのが春期にズレ込んではいても、夏物は別格として、これからもホウレンソウは「葉物野菜の王道」を行くのだろう。

シュンギク/漸減続きで減りすぎ、広葉系寒締めなど食味向上を

【概況】東京市場のシュンギクは、かつて10年当時には、急成長中であったミズナが7500tという大型商材になったあおりで、昭和期の半分2600t程度まで減っていた。それから10年後の20~21年になると、さらに26%減って、単価は3割高くなった。入荷は10月ごろから増え始め、12月をピークにして3月くらいまで多めの入荷。夏場は少なくなるパターンは変わらない。それだけに、21年8月には10年前より入荷半減して7割高にも。
【背景】21年8月は前年と比べても4割少ない。この時期、主要産地の岩手、群馬、茨城などが前年実績の半分しか入荷せず、急遽、北海道や岐阜などから手当てしても、まだまだ足りない。そこで単価は1277円(年平均単価は659円)と暴騰した。もともと業務用には一定の需要があったが、すごもり中の家庭需要も付いていた。シュンギクは癖の強い葉物でしかも応用範囲が狭い。現状では、鍋需要に特化しすぎて、一般家庭などで調理の工夫ができる余地がない単価だ。

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