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今年の市場相場を読む

コロナ禍でどうなった成長期待される野菜類 ズッキーニ/カリフラワー/長ナス/アーリレッド


【今後の対応】かつて関東産のシュンギクは、茎が太くて硬く、薄っぺらな葉が頼りない形状だった。江戸の昔から、シュンギクはニラのように必要なときに葉だけをちぎって使う“ツマミナ”的な野菜だった。伸びてきたら、また摘むという野菜。そんな利用法だったからこそ、茎はなく葉が肉厚で広い、菜っ葉としての“広葉シュンギク”が登場した。福岡など九州地区でよく見かけるが、関東でも冬になったら“寒締め”で販売できる広葉タイプの普及が待たれる。

ミズナ/北海道産が20年間に5倍増して一般家庭需要もつかむ

【概況】東京市場のミズナは、かつて2000年ごろには1万tに迫る急成長野菜だったものの、なぜか10年には7500tまで減り、20~21年度ではさらに37%減、単価も13%安くなった。10年には茨城がシェア85%だったが、20年には茨城からの入荷が3割減って、他産地も撤退した結果、シェアは95%に。茨城が開発した商品は、他産地を巻き込んで急成長したものの、現在ではまた茨城産だけが残り、どうやら一過性のブームで終わった形である。
【背景】登場した際には、鍋用野菜としての特性が注目された。ミズナの入荷増に伴ってシュンギクが目に見えて減っていったことでも、新たな鍋用野菜という認識でブーム化していったとみる。癖もなくハリハリした食感が珍しく、サラダ野菜としても利用できる汎用性も受けた。しかし、過去10年でみると、鍋野菜として定着したのか疑問だ。20年11月~21年2月の“鍋シーズン”でみると、この10年で年間の入荷減(37%減)以上の、40~50%も減っている。
【今後の対応】生産導入された2000年ごろ、ミズナは反当たり100万円にもなった。茨城県内ではメロンなどからの転換が相次ぎ、東京市場ではセロリやニラ、長ナスなど中堅品目の目安1万tに近付いた。しかし産地が増えすぎて安値推移が続くようになると即減産に転じ、直近で年4700tまで落ちた。そもそも夏場の生産が難しく猛暑でダメージも発生する。入荷減に単価が付いてこなかったのは、食文化という底支えがなかったから。地道なメニュー提案からの再出発だ。

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