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新・農業経営者ルポ

オンリーワンの“男気トマト”で目指す個人経営だからできること


自分への戒めとしてそのときの様子を写真に収め、何かあるたびに見直すのだという。栽培や売れ行きが好調なときほど、天狗にならないよう、写真を見ながらそのときの悔しさを思い出し、初心に戻り、気持ちを引き締める。これもまた手島の男としての矜持でもある。

男気トマトのルーツは同僚たちのはなむけの言葉

ところで、男気とはどんな思いを込めてネーミングしたのだろうか。実はこれは手島が付けたのではない。前職の同僚たちが手島に送った言葉なのだという。退職する際、同僚たちから紫のつなぎが贈られたが、その背中に「気合 真心 愛情 男気やさい 手島孝明」と大きく書かれていた。就農すると聞いた同僚たちが手島に送ったはなむけの言葉が“男気”だったのだ。
「うれしかったですね。面倒見がいいほうだったからですかね。ただ『男気やさい』と書いてくれるとは思ってもいませんでした。この言葉がうれしくて、自分が一生を捧げるトマトに付けて、男気トマトとしたんです。偶然にも男気という言葉と、無かん水栽培のトマトのスパルタ式ともいえる誕生ヒストリーが、うまくマッチしてブランディングをより高めることができました」
トマトのほか、露地で長ネギを約33a、ハクサイを約16.5a、ブロッコリーを約66a、キャベツを約10a栽培しているが、それらには男気のブランドは付けずに手島農園の野菜として販売している。男気はあくまでトマトにだけ冠することで、男気トマトの価値を高めている。

スーパーを熟知しているからこそ可能な販売戦略

トマトは、例年9月から1カ月ほどかけて苗作りする。その間、栽培用のハウスは連作障害を予防するために2日間水を流しっぱなしにした後、ビニールで土壌の表面を覆って密閉。1カ月かけて太陽熱による土壌消毒を行なう。その後、10月20日頃に定植。収穫は年明けの1月中旬から始まり、管理作業をしながら7月まで続く。
前述のように直売所とオンラインショップでの販売は4~6月のみ。それ以外の時期は男気トマトとして地元のスーパー4店舗に出荷している。
無かん水栽培は手間暇がかかる割に、収量は一般的な栽培法より少ない。その分、価格は高めに設定している。スーパーでも一般的なトマトより高めの価格を設定して販売している。
「高くても男気トマトのほうが売れますし、ほかのトマトが特売されていても売れる数は変わりません。男気トマトとしてブランド化され、お客様はその味を知ってくれていますから、売れ行きはシーズン通して変わらないです」

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