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江刺の稲

子実トウモロコシ10年の成果と課題

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第308回 2022年02月28日

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久しぶりに子実トウモロコシ生産をリードしてきた人々とリモートの形ではあるが、お話しする機会を得た。その様子は特集の座談会として紹介した。
2011年に北海道長沼町の柳原孝二さんが実取りを目的に始めた子実トウモロコシ生産。12年の暮れに開催したA-1グランプリで「水田での子実トウモロコシ生産の可能性」を発表し、グランプリに輝いた。それを受けて翌13年に府県でも岩手県花巻市の盛川周祐さんと秋田県大潟村の宮川正和さんが始め、翌年には谷地田の狭小湿田での可能性を試すべく千葉県成田市の小泉輝夫さんも取り組みを始めた。当初は誰も売り先はなく、転作交付金もない条件での自己リスクによる経営実験だった。それは“見る前に飛べる者”たちによる日本農業の未来に向けたチャレンジだった。
それから約10年、全国の作付面積は約1000ha。その大部分は北海道だが、府県でも集落営農単位での作付けも始まり、全農も本格的に取り組みを開始した。水田飼料作の一つとして子実トウモロコシが交付金の対象となり、今年からは飼料作の限定を外した子実トウモロコシが交付金の対象となり、水田農業政策の大きな柱として取り上げられるようになった。Non-GMという消費者受けする切り口を持つこの取り組みは、飼料作というより一般の食品や菓子類に大きな可能性があるのだ。

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