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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

エクアドル THC濃度1%基準を採用した国

エクアドル共和国は、南米大陸の西側の赤道直下に位置する国で、コロンビア、ペルーと隣接し、多くの固有種が生息するガラパゴス諸島を領有する。国土の中央をアンデス山脈が縦断しているため標高が高く、首都キトは標高2800mにある。
日本の本州と九州を合わせた広さに約1700万人が暮らし、白人と先住民の混血(メスティーソ)が国民の8割弱を占め、公用語はスペイン語だ。石油(鉱工業)、バナナ・カカオ・コーヒー(農業)、エビ(水産業)が主な輸出産品となっている。

厳罰的な薬物規制から健康・福祉政策へ

ヘンプの歴史は、ほかの南米諸国と同じく16世紀のスペイン征服時代に始まった。植民地各地との海洋交通を支える帆船の帆布やロープに使うヘンプ繊維の需要が高く、スペイン王室は植民地でのヘンプ栽培を熱心に推進した。ただし、17~20世紀前半に同国で行なわれたヘンプ栽培の実態は文献がなく、詳しくはわかっていない。
1830年にスペインから独立した当時はヘンプ栽培をとくに規制していなかった。だが、米国発の薬物禁止キャンペーンを受けて、1990年に制定された麻薬法により厳罰的な政策が推進されることになった。
しかし、薬物事犯者による刑務所の囚人過剰収容が問題となり、とくに女性刑務所では囚人の7~8割を薬物事犯が占めた。この事態を解決する契機になったのは、2006年のラファエル・コレア大統領の就任である。法務・人権省(MJHR)の設立と司法改革によって、囚人の問題は適正化されていった。08年の国民投票によって可決されたエクアドル新憲法には、健康に関する項目の第364条にこう明記されている。
「依存症は公衆衛生上の問題である。アルコール、タバコ、向精神薬の情報、予防、管理プログラムを開発することは国の責任であり、問題のある薬物使用者に治療とリハビリを提供することも重要である。いかなる状況においても、彼らを犯罪者にしたり、憲法上の権利を侵害したりしてはならない」

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