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今年の市場相場を読む

健康志向時代における緑黄色野菜たち カボチャ/アスパラガス/ブロッコリー/ニンジン

過去20数年、日本の景気は低迷が継続し、そこにコロナ禍で拍車がかかる。気が付けば賃金水準などの経済指数がお隣の韓国よりも悪化。この経済低迷時期に、日本に新たな文化として定着したのは健康志向や精神生活の充実であろう。健康の基本は食にあり、野菜とくに緑黄色野菜摂取が基本条件のひとつ。減った品目、想像以上に伸びた品目もあるが、共通点は国産と輸入とがリレーして周年供給されていることだ。

カボチャ/20年間で入荷は3割以上減るが、周年供給体制は強化

【概況】東京市場におけるカボチャを02年とほぼ20年後の21年を比べると、入荷数量は32%も減少し、キロ単価は8%ほど高い。02年は入荷量のうち輸入品は合計51%を占めた。国産のトップは北海道で24%。これに対し輸入品ではニュージーランドがシェア1位29%、メキシコ13%。鹿児島産が8%で続く。21年は3割以上も減ったが、数量が減らなかった北海道が37%でトップ。輸入割合は43%、ニュージーランド22%、メキシコ21%である。
【背景】一年中“完熟カボチャ”が売られていて、カロテンなど栄養豊富で食味もいいが入荷は減った。輸送性も貯蔵性もあるカボチャの流通は周年にわたって安定しているが、輸入そのものを見ると、02年ごろは15万t前後あったが21年では9万t台まで減った。数字的には東京市場の入荷減とリンクしているように見える。入荷統計から見えにくいが、この20年間に起きた変化は、輸入品が補完していた時期に、国内で促成・抑制の産地・作型が増えていること。
【今後の対応】青果専門商社などが30年ほど前から、日本の端境期に海外で日本種の開発輸入に成功したことで、現在の完全型の周年リレー体制が整った。国産とリレーでつなぐだけでなく、国産に負けない“完熟”カボチャを海外でも生産するために、南半球や北半球でも熱帯のメキシコの、昼夜の温度差が大きい内陸の高地で産地育成したのが始まりだ。近年は、それらカボチャ専門商社が国内産地を開発して、自社で国産~海外産を供給できる体制を整えている。

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