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江刺の稲

組み換え作物の国内生産を目指せ

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第309回 2022年04月04日

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FAOの統計を見てみると、2020年のウクライナによるトウモロコシ(Maize)の輸出は、米国、アルゼンチン、ブラジルに次ぐ2795万tで世界4位だった。
小麦も、ロシア、米国、カナダ、フランスに次ぐ1805万tで世界5位である。その輸出国・ウクライナがロシアに侵略をかけられて戦火の中にある。
一方、日本は小麦が世界13位の輸入国であるが、トウモロコシにおいてはメキシコに次ぐ世界2位の1577万tの輸入国である。我が国は、エネルギーと同様に国内生産はほぼゼロである。しかも、2020年度では日本とほぼ同じ1573万tの中国は、ここ数年大幅に輸入量を伸ばしており、今後さらに増やすことが予想される。その金の力に任せての爆買いは世界の市況を上昇させるとともに、日本も大きな影響を被ることになるだろう。加えて、ロシア原油の輸入禁止の世界の動きを考えると、現在でも高騰している国際物流コストはなおも上昇することは間違いなく、実際に我が国の輸入価格はもっと高騰するだろう。
輸入トウモロコシの用途は約7割が畜産飼料である。輸入トウモロコシの市況が上昇すると大豆などの他の穀物に変えて供給価格を抑えることがなされてきたが、今やすべての穀物が高騰しており、我が国の畜産、酪農は大きな打撃を受けざるを得ない。
こうした輸入の危うさを感じる中で世界の大生産国の数量や面積を見ると、我が国での(子実)トウモロコシ生産が1000haを超えたと以前に書いたが、その数字の開きに改めて愕然とする。

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