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土門「辛」聞

続報 事態切迫!原料は間に合うのか 北海道が春肥不足に陥る可能性

本誌が読者の手元に届くのは3月下旬。国内最大の食料基地・北海道では、春の農作業シーズンに備えての準備が始まる頃だ。今春は例年と違って、雪解けを待ちながら、肥料が足りない、肥料が届いても代替品だった、あるいは成分が少ない、そんな不満が農業現場から聞こえてくるだろう。
今月号も北海道・春肥問題に全力投球する。問題を整理しておこう。ポイントは3点ある。(1)春肥の供給量について、モロッコからの緊急輸入分が間に合うのか。(2)農家への配達が農作業のタイミングまでに届けられるのか。(3)供給した肥料の品質問題。代替品や成分などのことである。これらを統計資料などで検証してみよう。

農水省の楽観論は根拠のない願望

農水省内の楽観論から始めてみる。1月下旬頃、省幹部にホクレンの春肥原料の手当て状況について質問してみた。その返答は次の通り。
「原料は前もって手当てが進んでいたので心配はしていない。統計もそのような結果が出ている。すでに春肥の7割は昨年内に農家へ配送されている」
実態とは逆の説明に驚いた。そこで2月中旬、農水省としての見解を質すべく、本問題の司令塔、農産局・安岡澄人審議官により詳しい説明を求めてみた。
「国全体でみてリン安などの春肥の原料については、例年に近い供給量は確保できるとみています。安心はしていませんが、ホクレンもしっかり供給していただけると考えています」
残念ながら、安岡審議官の説明は、統計など具体的根拠にもとづいたものではなく、期待願望を述べたものとしか思えない。逐条的に検証してみよう。
省幹部の説明で引っかかったのは、「原料は前もって手当てが進んでいた」という部分。マーケットの事実認識とは大きく違うし、貿易統計を確認すれば、そのような認識には至らないはずだ。安岡審議官に、単刀直入に質問した。

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